FAIRY TAIL
□離さないで
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空と大地を揺らし、夜の静寂を破る轟音が響き渡る。その音は聴く者によって、希望か絶望かに分かれる。
私にとってそれは、間違いなく後者だ。
せっかく、隸星天が命を失ってまで発動させたのに。
ようやく、長年の望みが叶う時が来ると思ったのに。
―――破壊してくれると、信じていたのに。
『……やっぱり、どこまでも残酷だね。
世界って』
派手な音を立てて崩れていく大量のフェイスに背を向け、歩き出す。
向かう場所は、ただ1つ。
―――彼の所だけ。