マギ
□貴方以外なんて、ありえない
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『……ねぇ白龍。いい加減機嫌直してよ…』
「………」
私のお願いに、白龍は無言で返してきた。
これで何度目だよ。
いや、今はそんなことより、どうしてこうなったかお話しましょう。
―――――
この煌帝国、宮廷内。3時間程前のこと。
私は紅炎様に呼ばれ、1人で彼の部屋を訪れて、そこで30分ほど話をしていた(何の話か、だと? ここでは秘密だが、やましいことなど何も無いぞ※紅炎談)。
たったそれだけなのだけど…紅炎様の部屋に1人で入っていく私を偶然目撃した白龍は、それが気に入らないらしい。機嫌が悪い彼を見てどうしたのかと聞くと、やはり紅炎様の部屋に入っていったことで苛ついていると返ってきて、白龍はそれきり背を向けて黙っている。
そして、何度話しかけても、彼は無言を貫き通しているという状況。
話が少し長くなってしまったが、まぁいい、場面を戻そう。
『………』
「………」
いつまで続くんだろうか、この居たたまれない空気は。