マギ
□逆らえない人っているものです
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『あ、いた! ジャーファルさん!』
ここ、シンドリアの宮廷内。捜していた人物の後ろ姿をようやく見つけ、その背中に声をかけた。
「おや、アリシア。どうしたんですか?」
足を止めて振り向いたジャーファルさんに駆け寄る。
『どうしたじゃないですよ! シンったら、まぁた脱走したんです!』
「狽ネっ…!?」
私の(いつものことだが)衝撃な報告に、目眩をおぼえたらしいジャーファルさん。
「シンっ…一体何回脱走すればっ……」
『どーしますよ、ジャーファルさーん』
彼はため息をついた後、目つきを鋭くしてこう言った。
「シンの行きそうな場所をしらみ潰しに捜して、捕獲します」