マギ
□いつか きっと
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白麗said
私は今日もここにいる。
皇族、しかも第2皇女ともあろう者がいるには似つかわしくない宮廷の屋根の上。
まぁ、私は運動神経抜群+動きやすい衣装なので、ここに上るのは容易い(梯子とかそういう道具はいらないくらい)。
あとこの煌帝国で、そういう人といえば…。
「麗姉、見〜っけ♪」
『! 紅覇!』
噂をすれば第3皇子・練紅覇のご登場。すごい勢いで横から抱きつかれたので、倒れそうになった。
『っと、危ない』
「あ〜ごめん、麗姉 大丈夫?」
『大丈夫よ』
と会話をしつつも、未だに抱きついて離れない紅覇。
『紅覇? そろそろ離れ「嫌だしィ」……』
即答されたよ(いつものことだけれども)。
しかし、可愛い義弟を引き離すような真似はしない。
……むしろしばらく離れないから、諦めているとも言える。
その時、そんな考えを消し去るみたいに、声をかけられた。
「白麗様! 紅覇様! やはりこちらにいらしたのですね!」
同時に振り向いてみれば、梯子か何かで上がってきたのか、女官の姿があった。
「ちぇ〜、見つかっちゃったしィ」
「お2人に戦争要請がきております」
ああ、来た。私達2人はよく前線に立つ。それも、私と紅覇の実力が認められているからだろう。
『分かったわ。行こう、紅覇』
「は〜い」
準備はもう進められているようだ。私と紅覇は立ち上がって屋根から飛び降りた。