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□愛情
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――ファストフード店にて―――
「晩飯はバランスを取ってワックに・・・あん?」
「どうしたんですか?」
「・・・・いや、後ろ」
窓際の席に座っていた静雄は後ろを振り返ると
窓越しに少女がじっと静雄を見つめていた。
しばらく見つめ合う二人。
少女は鞄から写真を取り出して見比べると、急に喜び出した。
どうやら写真の男を探していて発見したようだ。
「ありゃ静雄の親戚とか?」
「いや、心当たりはないっすけど・・・」
「でも、お前の服が珍しいってから見てたって感じじゃねーぞ」
静雄を見て、ニコニコと笑う少女。
「ですよね・・・ちょっと見てきます。」
そいう言ってトレイを持って席を立つ静雄にトムは「おいおい、突然パパだのダーリーンだの言われたらどうするんだ?」と言ってきた。
「ありえないっすよ」そう言って俺は店を出た。
少女が楽しそうに近づいてきた。
無邪気に見えた。
お人形さんのように純真無垢に。
バカな男、いろいろあるのよ無邪気にも・・・。
少女は静雄ににっこり微笑むと・・・
「死んじゃえ」
そう言って何かを持って静雄に襲いかかった。
例えば他人のためなら、他人を簡単に殺せちゃう無邪気さとかね。
バチバチバチバチ
トムさんが静雄を追って店から出てきた。
「ん・・・?」
バチバチとなるものはスタンガンだった。
笑顔の少女に静雄はスタンガンで襲われていた。
「いってー」
静雄は反射的に少女を払いのけた。
「いってーなー・・・なんだこれ・・・?スタンガン?」
「おい静雄」
軽く払ったつもりだが少女は尻餅をつき戸惑う少女に「おい、どう見たって女の子突き飛ばしたぞ」と辺りが騒ぎ始めた。
どこからかピーピーと笛の音。
「おん?あっ!やっべ静雄」
「あん・・・?」
笛を吹きながら警官も現れた。
「とりあえず逃げんべ」
二人は走りだした。
「言い訳出来る状況じゃねー」