Dream‐Menu
□本番前の数分間・・・。
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『ムカつく・・・』
今、俺と下野くんがMCを務めるラジオの打ち上げというか親睦会の真っ最中。
俺が今すっげーイライラしてるのは、ラジオのスタッフであり、俺の片思いの相手君ちゃんの事。
なかなか勇気が出ず俺は君ちゃんの近くに行けずにいた。
そして、いつの間にかとなりには、下野くんと二人で楽しげに笑顔で会話をしていた。
内容は聞き取れないが、楽しそうに話す二人はまるで恋人のように見えた。
俺は勇気のない自分と、楽しそうに話す二人にイライラとしていた。
翌週のラジオの収録でも、二人は仲良く二人で話していた。
その時、このラジオ番組でイベントの話が進んでいることを耳にした。
イベントの準備は着々と進んで行き、打ち合わせで、君ちゃんと会う機会も増えていた。
しかし告白はというと、眺めるだけ、時々目が会えば恥ずかしくなって、うつむくだけで告白できずにいた。
時折、下野くんと同じ資料をくっついて見ている姿を目にする事が多く彼女は下野くんとの事が好きなのでは?と思うようになっていった。
モヤモヤとしたままで、いつの間にかイベント当日を迎えていた。
スタッフが慌ただしく動く中、時々聞こえる彼女の声にモヤモヤとしていた。
「なぁー梶くんさぁーさっきから何百面相してんんだよ♪」
その言葉にはっと我にかえった俺に「君ちゃんがそんなに気になるのかぁ?」とニヤニヤとした顔で聞いてきたので、俺はいつから知っていたのか?と驚きの表情を隠せなかった。
「俺、結構前から知ってるケド?君ちゃんすきなんだろ?告白しないの?」
(告白できたらしてるよ!!)
「君ちゃん好きな人いるみたいだしさ・・・」
「告白はしたほうがいいよ。当たって砕けろ。ってやつだよ。」
(君ちゃんは下野くんが好きなんだよ・・・結果わかってるから・・・)
その時だった。
♪♫♪♬♪〜
下野くんの携帯がなり、相手を見るなり俺に向かってニヤリと笑って電話に出た。
お客様の会場入りを開始しましたので、予定通りの時間にスタンバイをして欲しいと、要件を聴き終えると・・・
「あぁー切らないで君ちゃん!!梶くんが話があるみたいだからかわるねー♪」
そう言って満面の笑みで俺の耳に携帯を押し当てた。
仕方なく携帯を受け取り楽屋の外へ。
今にも口から出そうな心臓、震える手、意を決して話を切り出した。
「あのさー直接あって言いたいことがあるんだけど、明日空いてる?」
しばらくして「明日は夜まで別の仕事の会議があるので・・・そうだ、あと少しでてが空くのでそれからじゃダメですか?」
驚いてしばらく言葉にならない声を発していると、「同じ場所にいるんですし・・・」そう言われて流れでついOKの返事をしてしまった。
「じゃなるべく早く行きますね」そう言って返事も待たずに電話を切った。