夜食
□アリカ
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浜に打ち上げられた男が、初めての収穫をした。
どうやらバンカーになっていたこの国の王子と親しく話して居たらしく、何か掴めるかもしれない。とのことで男が攫ってきた。―人を。
「この子、写真に写ってた、王女よ」
とりあえず、俺の部屋に集合をかけると、モッツァレラからの情報があった。
「通りで動じないわけだ。」
「どうしますか。カラスミ様。」
体の自由を奪われ、床に足を付けた元王女を見下ろす。まっすぐに俺を睨みつけるその視線には捕まっていても威厳さがあり堂々と上を向いていた。
「俺と王女サマだけにしてくれないか?」
結論。俺の頭に浮かぶ、これからの光景。
「はっ!」
出ていく部下。眼で見送ろうとも、これから何が起こるかと不安そうにする様子も見せずただまっすぐに俺を睨み続ける。
深くかぶった頭部のマントを外しながらゆっくりと王女サマに近付く。
「そんな俺を睨むために上を向いているのですか?」
睨みあげ、視線をそらそうとしない彼女の顎を一指指で支える形になる。そのまま口を重ね合わせる。お互いの唾液が口元をどんどん濡らす。抵抗して顔が動くたび、銀色の糸が作られる。
当の王女サマは赤面しながらも目つきは鋭いまま俺を見ていた。
「っ…」
「名前は何とおっしゃるのですか?」
「…のりまき。」
「のりまき様。部下がご無礼を…。」
「何を企んでいるのですか?」
直感か、それとも本能…どっちにしろ、彼女は俺の考えを当てた。これは「予想外ですね。」
「私は王女ではありません。」
「では、なんとお呼びすれば、」
「のりまきでいいです。」
「そうか。」
口調を変える。
「だが、王女だったという事実は変わりない。」
ゆっくり元いた場所へ戻る。
王女サマ…いやのりまきは王女だったといってもおかしくない位可憐。だ。いやそれ以上にいざと云う時の冷静さ、観察力、知性兼ね備えているようだ。
そんな女性に引かれない男はいないだろう。
「ひゃ…///」
手を伸ばし、液体状になった手で胸を撫でまわす。いやらしく、動きを不規則にしながら…。
「ハハ 敏感だなww」
「〜〜〜っ!!」
声を必死にこらえる。
だが、
「いや、//や、、め」
抗議を始めた。
しかし、脳で考えていることより、快感のほうが上なのだろう。
彼女は言葉をとぎれとぎれに発する。
だがそんな曖昧な言葉で状況の変化はあるのだろうか?むしろ…
「うあァ。。///いやァ、//あ、、駄目…‼!」
俺は彼女の胸元に入れている腕の動きを早くする。
「なぁ、ホワイトキーって知ってるか?」
「狙いは、、それですか。。。」
手をひっこめ、元王女に問う。愛撫しただけで感じてしまう体は空気を求め方上下に動く。
「知りません。」
「本当にそうか…?」
冷たく口から出た言葉は床に落とされる。
俺は彼女に近付き、体の縄をほどいた
「…。」
「勘違いするな。」
僅かに晴れた顔がまた曇る。
手首は未だに縛られていた。
彼女の体を横に持ち寝台の上でそっけなく離す。
「っ」
衝撃に少し呻くもすぐ眼を開き、自分を透かす様に見下ろす俺を見た。
「まだ分らないのか?」
分らないと目で訴える。強さも感じられた。
「その強さはいつまで持つか。」
不敵な笑みをむけた。
「はぁ///やめて、、くださいいい良い///いい!!」
「如何した?此処か?此処が気持ちいいのか?」
乱れた。俺は挿入し、もう何回も腰を動かし
白濁を吐き、体が中から熱くなり汗が流れ続ける二つの体は最高に高ぶっていた。
もう深夜だというのに、睡魔は襲わず、ただただ互いの身体を求め合っていた。
上向きになった男根が孔から顔を出す度彼女の体は弓なりに反る。
体液はなくなることを知らず、汗と同じくらいシーツに染み込んでいた。
「ホ、ホワイト、、、キーは、、」
「知りませ、んんんんんん?!」
口唇を合わせも、腰は自然に動いていた。
「嘘を、つ。、////」
「ほんと、おです、。うぅう」
この答えをもう何百回も聞いてる。
《必ず見つけ出してやる。
王子様も、覚悟してろよ》
射精した。
眼はうつろになり、体力が底をつきたのだろう。手首の自由を解いたが、何の反応もなかった。
「お休み。」
ヒクつく身体と威勢を失った顔に吐いた。
俺の言葉の中には、荒い息が混じっていたのは気のせいだろう。