eternal ties[第1幕]
□1章1 再会とお願い
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「もー朝はあれからどこに行ってたの?」
《少し忘れ物をしてしまったのです、申し訳ありません》
「それなら別に良いんだけど…」
莉紗はパンを一口食べそれから空を悲しそうに見上げる。
「グラン達を憑依させて身を守るのも良いんだけど、そうしたら他の攻撃避けられないでしょ?」
《ええ…そうですね。妖怪の類から身を守れても、シャーマンからは守れませんね》
「そうなんだよね……、そこの子、盗み聞き?」
莉紗は屋上のドアの上を見て声を掛けると、氷月達は警戒を強め彼らもそちらを見上げた。
「いーんや、懐かしい声だなって思って話聞いてたんよ」
身体を起こし見下ろすようにこちらを見た少年を見て、莉紗は目を見開き怖ず怖ずと訪ねた。
「……葉君?」
「おー、そーオイラだよ」
「本当に、あの…麻倉葉?」
「そーそー、そう言うお前は莉紗だろー?」
莉紗はコクリと頷くと辺りを見渡し首を横に傾げた。
「あれ、いつも一緒の恐山さんは?」
「アンナー?アンナなら莉紗の後ろ」
「へ……」
後ろを振り向くとアンナが莉紗を見下ろしていた。
思わず小さく悲鳴を上げると更に彼女は不機嫌そうな顔をし、葉を真っ直ぐと見る。