Love Is Moment
□戸惑い
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最近何だか藤ヶ谷さんにじっと見られてる気がする。
そして、今も…
「あの、顔に何かついてますか?」
「え?」
「何かじっと見られてる気がして…」
「あ、あぁごめん!ちょっとぼーっとしてただけだから」
「そう、ですか…」
そう言って藤ヶ谷さんは、私から目を反らした。
しかし、少し時間が立つと…
まただ。
視線を感じる。
ちらりと横目に見ると、明らかに藤ヶ谷さんは私のことをじっと見ていた。
もしかして、ついてバレた…?
色々と考えを巡らせたが、やっぱり行き着くところはそれしかない。
藤ヶ谷さんは勘が鋭いし、その可能性は十分にあり得ることだ。
どうしよう…。
私は途端に不安になった。
やっぱりまずいよね、本当は女だったってことが知れたら。
皆さんのこと騙してたことになるし…
大事になる前にやめたほうがいいのかな?
だけど私は正直この仕事をやめたくなかった。
最初は社長に頼まれたから渋々引き受けたものの、今はとてもやりがいを感じているから。
何より、キスマイの成長ぶりや裏での努力をたくさん見てきた私は、できるだけ側で彼らを支え、その活躍を見届けたいと思うようになった。
できることならまだ続けたい。
だけどバレるのが怖い…。
そして、その矛盾した考えが自然と影響し、私は次第に藤ヶ谷さんを避けるようになった。
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