Believe
□唄島
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ミネア「ん…」
うっすらと目を開けると天井が見える。
なんで寝てるんだっけ…?
自分の歓迎会をして…ハヤテと…
ミネア「やばい…」
ハヤテと飲み比べをなぜしてしまったのだろうか…
ふと時計を見る
まだ4時か…
きっと二度寝をしたら昼過ぎまで起きることはない…そんな気がした。
ミネアは大抵のことなら出来るが、朝とお酒だけは弱かった。
4時に起きるなんて…今日の私は冴えてる。
そんなことを思うくらいだ。
お酒くさい自分。
ミネア「シャワー浴びようかな。」
とベッドから降りようとすると、ふわりとした感触がする。
よく見ると床には布団が敷かれ、そこにシンは寝ていた。
ミネア「私なんかにベッドを譲らなくても良いのに…」
と思う。シンと自分はどこか似ている…だからこそ、他人のためにこんなにも良くしない。そう思ったからだった。
ミネア「私が冷酷悪魔だなんて呼ばれていた意味がよく分かるわ。」
少し笑うとシンの優しさに少し感謝してシャワールームへと向かって行った。
………………………………………
扉を開けるとシンが本を読んでいた。
シン「シャワーを浴びていたのか?」
ミネア「え、えぇ。」
そうか。そう答えるとまた本に視線を移す。
ミネア「いつもこんな時間に起きているの?」
シン「いや、たまたま目が覚めた。」
ミネア「そう。」
と答えてベッドに腰掛ける。
ふと思い出す。
この香り…昨日も…
少し血の気が引いたような気がする。
ミネア「シン。」
シン「なんだ。」
ミネア「私…あなたに抱きついたり…した?」
恐る恐る聞くとシンがニヤリと笑うのが見えた。
シン「ほう…覚えていたのか。そうだ。お前は俺に抱きついてきたよ。行かないでと言って。」
ミネア「う…嘘…」
明らかに青ざめているミネア。
シン「俺が嘘を付くわけがないだろう。」
ミネア「…ごめんなさい。今度からはお酒には気をつける。」
シン「酔った時が本当のお前なんじゃないのか?」
ミネア「え?」
シン「過去に何があった。」
黒い瞳がミネアを捉える。まるで吸い込まれそうな瞳。
ミネア「あなたには関係ない。」
過去のことを言ってしまいそうになるのを必死に抑え、いつも通りに振る舞う。
いつも通り。それが本当の私。
そう言い聞かせる。
シン「助けて。そう確かにお前は言った。」
ミネアは手を握りしめる。
シン「何があった?何故、お前は狙われている?」
ミネア「…これ以上、私に関わらないで。」
シン「…。」
ミネア「私の過去を知る人はみんな…殺される。」
そうミネアは口にすると荷物の整理を始める。
これ以上何も聞くな。そう言っているような気がしてシンは何も聞かなかった。
シンの中に芽生えていた謎が深まるばかりだった。