ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―
□SEQUENCE24『追跡魔を追え!』
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ある夜、月は雲に遮られ、街は暗闇に支配されていた。
「はぁ………はぁ………はぁ………」
その暗闇の中を一人のメガネを掛けた女性が駆け抜けていた。その顔には恐怖、焦りが浮かんでおり、気持ち悪い汗を流していた。その恐怖の原因は後ろにおり、不気味な小さな光が足音を立てながら追い掛けてきていた、その光の中心は黒く、まるで目のように見えるが、辺りが暗すぎて姿がはっきりと見えない。
「な、なんなんですかもーう!」
時刻も夜の11時が過ぎていた、この時間まで夜遊びをしていたというわけではないが、運悪く、こんな目に遭ってしまっていた。
全力で駆け抜けること数分、狭い路地裏を抜け出し、灯りが見えるトンネルに辿り着いていた。足音が聞こえず、振り向くと先ほどまで追い掛けてきていた光がいなくなっていた、逃げ切れたと思い、ホッと胸を撫で下ろした。
「た、助かりました………やっぱりこの事件は宇佐美さんが睨んだ通り、早くネオスーパーGUYSに連絡しないと」
カバンから携帯を取り出そうとした瞬間、何かに弾かれ、遠くへ飛ばされてしまう、そこで振り向くと女性は目を大きく見開いた。
「キャァァァァァァァァァア!!!!!!!!」
その悲鳴により、恐怖の夜は終わりを迎え、新しくも、不安な朝を迎えるのであった。
「んん………朝か………」
朝を迎えたフェニックスネスト。シンは眠い目を擦りながら起き上がる。
「起きましたかシン?」
「え?」
なぜか別の人物の声が聞こえてきた、ここは自分の部屋ではないのか、確認のために辺りを見渡していると。
「おはようございますシン」
自分が寝ていたベッドの隣に、メガネを掛けず、下着の上にワイシャツを一枚だけ羽織ったシュテルがコーヒーを飲みながら座っていた。
「…………なんでシュテルが俺の部屋にいるんだ?」
「何を寝惚けているのですか?ここは私の部屋ですよ?」
その事実に叫びそうになるシンだったが、シュテルに口を塞がれた。
「大声を上げたら起きてしまいますよ」
(起きる?)
シュテルが下に視線を向けた、自分もその方向に視線を向けるとそこには、ヴィヴィオとなはとがすやすやと眠っていた。
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