ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―

□SEQUENCE05『奪われたゼロ』
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「ぬ?」
「停電?」
 大きな音を立てて電気の灯りが消えたのだ、それも街全体でだ。
「………ッ! 何か聞こえませんか!?」
「聞こえたぞ………あそこだ!」
 普通の人間よりも五感が優れているので微かな物音にも気付けるマテリアル、二人はその微かな物音を聞き付け、その方向を向いた、そこには、牛の体の模様が逆転したような体に、両手から鋭い爪が二つずつ生え、頭にはくるくる回転する三日月型のアンテナのような黒い角を目がありそうな位置に二本生やした怪獣が体に紫電を纏わせ、暗闇の中に立っていた。
「か、怪獣だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
「逃げろぉぉぉぉぉぉお!!!!!!」
 突然の怪獣の出現により酔いが醒め、人々は一斉に逃げ始めた。
「キイイィ!」
 下からでは建物に隠れて見えないが、鞭のように長い尻尾を電信柱に巻き付け、それに繋がれた電線に流れる電気エネルギーを吸収していた。
「停電の原因はコイツか」
 体に纏う電気を見てディアーチェは理解した、この怪獣が電気エネルギーを吸収している事により停電が起きているのだと、それに気付いた直後にガンウインガーとガンローダーが飛来、ネオスーパーGUYSが現場に到着した。
「怪獣を肉眼で確認!」
 ガンウインガーにはレヴィとハルカ、ガンローダーにはアカネとカズヒコが乗っていた。
「こちらからも確認できました」
 道路にはシュテルとシンが乗ったゼレットが走り、ゼラリアン砲を怪獣に向けていつでも攻撃できる体勢を整えていた。
「ねぇねぇ、あれエレキングじゃない?」
 怪獣を見たレヴィは指摘した、『宇宙怪獣エレキング』、かつてウルトラセブンが戦った事がある電気怪獣である。
「外見や特徴は確かに似ている、だが………」
 過去に出現したエレキングには爪はない、それ以前にも体格も違った、竜のような生物的なフォルムにカズヒコとシンは違和感を覚えていた。
「とりあえず攻撃よ、あのまま電気を吸収されたら街全体が停電になっちゃうわ」
 アカネの指示により攻撃開始、ウイングレットブラスターとバリアブルパルサーがエレキングの首筋に直撃、それによりエレキングは電気エネルギーの吸収を止めると口が強く光り輝く。
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