ウルトラマンゼロIF外伝

□ANOTHER SEQUENCE02『マテリアルズの決意と未知の巨人』
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 UPG基地であるライブベースにやって来たシン達は陣野達の事情を説明していた。
「つまり君達は自分の世界であのナックル星人と戦い、奴が逃げようとして開いたワームホールが暴走、吸い込まれてしまった彼女達を追ってこの世界に?」
「ああ、そういうことだ、最初は手当たり次第探してたんだが、カプセル怪獣の気配を感じてな、それでようやくこの次元にやって来れたんだ」
 この宇宙に来た経緯をシンは話していた、やはり話し方からして初めて来たような話し方で、ヒカル達は首を傾げていた、それはシン達もだ、なぜ自分を、ウルトラマンゼロのことを知っているのかさっぱり分からなかった。
「では君はこの世界には一度も来た事はないと?」
「ああ、俺はこの宇宙には一度も来た事はない」
 陣野も確認するがシンはこの宇宙には来た事はなかった。
「てことは俺達に特訓してくれたことも知らね?」
「お前達を?俺が?」
 質問するヒカル、やはり何がなんだか分からない、自分は知っているが相手は身に覚えがない。
「おそらくなのですが」
 そこで友也が口を開き、自分の仮説を話した。
「今、ここにいるウルトラマンゼロは僕達が知るウルトラマンゼロとは別の存在なのかもしれません」
「別のウルトラマンゼロだと?」
 静かに驚くショウに頷くと友也はガンパッドでエアディスプレイを操作、画面に映像が流れる。
「俺!?」
 そこに映るのはウルティメイトゼロだった、その映像に映るゼロは赤い仮面を付け、羽衣を纏った黄金の魔神と戦っていた、この魔神こそエタルガーだ。
「この戦いに覚えは?」
「ないない、こんな金ぴか野郎と戦った覚えねーぞ、金ぴかの敵と言ったら最近じゃスーパーグランドキングぐらいだし、こんな人型とは戦ったことないな」
 戦った事がないと言い切るシン、これで友也の仮説は実証された。
「僕達が知るウルトラマンゼロと今いるウルトラマンゼロは少し歩んできた歴史が異なるのかもしれません」
「つまり、このウルトラマンゼロは俺達と出会わなかったIFのウルトラマンゼロってことか?」
「はい、そう考えるのが妥当かと」
 シン達も理解できた、ヒカル達がどうして自分の事を知り、会った事があると言ったのも。
「別の俺がこの宇宙に来たのか」
 自分が来ていた可能性もあると考えた、現にこうして来ているのだから、もしかしたら順番が逆になっていたのかもしれないとも。
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