ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―

□SEQUENCE01『新たなる出会い』
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 とある宇宙にある星。その星には文明がある、その文明が今、危機に瀕していた。



 この星の住人達が住む街を両腕に赤いドリルや青いビーム砲を持つ巨大ロボット達が地上と空を蹂躙し、ドリルで建物は崩され、ビーム砲から発射されるビームにより建物は爆発、炎が広がり、天に向かって煙がいたる場所から上がる、そこに轟くのは爆発音と悲鳴のみ、そこはまるで地獄だった。
 『帝国機兵レギオノイド』、地上を支配するのはドリルを装備するのは地上戦型のα、空を支配するのはビーム砲を装備した宇宙戦型のβである。
「うえぇぇぇぇぇぇん!!!!!!」
 瓦礫と火の海の中、逃げ遅れた男の子が座り込んで泣き叫んでいた、走るのに疲れ、逃げ道を塞ぐ炎が熱くて絶望しかない。そこに、巨大な影が覆う、レギオノイドだ、レギオノイドはその巨体を支える足でなにもかもを踏み潰し瓦礫の海を作っていた、このままではレギオノイドに踏み潰されてしまう。その巨大な足が上げられ、地に下ろされそうになった、自分の最後を予感し目を強く瞑ったその時、大きな音が響き渡った、何かが倒れるような音、いつまでも感じる事がない痛みと手放される事がない意識、おそるおそる目を開けてみるとそこで目に映ったのは赤い大きな柱だった、そこで柱を見上げてみるとそれが何なのかがすぐに判った。
「巨人……」
 赤と青の体に、銀のプロテクターを装備し、胸には青い輝きを灯した巨人が立っていた。巨人の前には背中から倒れて煙を上げて大破したレギオノイドの姿があった。巨人は振り向くとしゃがんできた、手の平を合わせ、指先を下に向けると水流が吹き出し、男の子の逃げ道を塞いでいた炎を消していく。
『早く逃げな、俺がなんとかしてやるからさ』
 巨人は荒々しい口調でありながらも優しく語り掛けた、男の子はそれを信じる事ができた、彼は味方、そう実感できたからだ。男の子は疲れた体を引きずりながらも走りだし、体力が保つ限り走り続けた。巨人は男の子を見送ると立ち上がり、空を支配するレギオノイド達を睨み付けた。
『このウルトラマンゼロが来たからにはてめえらの好きにはさせないぜ!』
 高々と宣言する巨人『ウルトラマンゼロ』は親指で鼻の下をこする仕草を見せるとレギオノイド達は街を破壊するのをやめてゼロに襲い掛かる、だが、地上のレギオノイド達はゼロにドリルを当てる事すらできずに爆発していった、ゼロが頭から投げた二つのブーメランのゼロスラッガーによって胴体を半分に切り裂かれていったからだ。
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