ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―

□SEQUENCE05『奪われたゼロ』
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 夜………それは空が暗くなり、人々が寝静まる時間帯ではあるのだが、この進んだ時代、そんな事はなく、ある者は深夜でしかできない仕事をこなし、ある者は昼間にやりきれなかった仕事を進め、ある者は仕事の嫌なことを忘れるために酒を浴び、ある者は自宅や街で趣味に没頭する、それぞれ、思い思いに過ごす時間帯へと変化していた、この宇宙時代を迎えた今でもそれは変わらず、夜に眠る人々はほとんどいなかった。



 眠らない街の象徴である日本の首都・東京、人々が飲み明かす街中をディアーチェとユーリが歩いていた。
「まったく……なんで我らがあんな奴らと合コンせねばならんのだ」
「仕方ないですよ、人数足りないからって頼まれちゃったんですから」
 二人とも大学の友人にせがまれて参加した合コンの後だった、その友人も二人が来れば参加者が集まると見たのだろう、なんせこの二人はとても美人なのだから。
「外見がよくても中身がないのだ中身が」
「だからって相手を再起不能になるまで叩きまくるのはいかがなものかと」
 気に入らない事は気に入らないとはっきり言えるディアーチェ、合コンの男性参加者が外見だけでとても気に入らなかったらしく、自分やユーリに言い寄ってきた相手を全員、再起不能になるまで言葉で叩きのめした、いつもならシュテルも一緒だが、ネオスーパーGUYSのクルーになったので抗議がある日以外こない、それなのになぜ彼女達を友人達が誘うかと言うと、ディアーチェやシュテルが中身がないと見切ったら叩きのめしてくれるので、ダメな男に騙されないで済むからだ、彼女達の感覚はかなり信頼されている。
「身の程を弁えろということだ、うぬも中身がない綺麗な言葉に騙されるな」
「大丈夫です、私はディアーチェしか見えていませんから」
「それもどうかと思うが」
「フフフ、冗談です」
 男には取られなかったが、彼女には手玉に取られてしまっていた、ユーリにはとても弱いディアーチェ、適わないと思いつつ後頭部を描いた。
「あんな奴らと食事しても食った気がせん、仕切り直しだ、どこか美味いところで食うぞ」
「賛成です」
 携帯を取り出して周辺にオススメな飲食店がないか検索しようとしたユーリ、その矢先だった。
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