ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―

□SEQUENCE06『ネオスーパーGUYSの長い一日』
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 ある日、ネオスーパーGUYSでは緊迫した空気が漂っていた。



 その原因は静岡県北川市の海岸に巨大な茶色い物体が打ち上げられていたからだ。
「私達は今、静岡県北川市の海岸に来ております、見てください、これが怪獣の死体です」
 打ち上げられた茶色い物体は怪獣の死体だったのだ、海に流され、この海岸に辿り着いたのだ、一般人を必要以上に近付けさせないようにネオスーパーGUYSの依頼で静岡県警が出動し、警備を行っていた。
「たった今ネオスーパーGUYSが到着しました、これより調査に入る模様です」
 リポーターの女性が空を見上げるとカメラも上を向く、ガンフェニックスが着陸しようと高度を下げていた。
 着陸したガンフェニックスからはシンとカズヒコが降りてきた、怪獣の死体のサンプルを回収するべく出動したのだ。
「くっさ!」
 外に出たシンの第一声はこれだった、水に流されていた死体のため、腐敗が激しく、悪臭が海岸一帯に漂っていたのだ。
「エアカーテンの意味ねぇなぁこりゃ」
 ネオスーパーGUYSメットにはエアカーテンが内臓されているのだが全く役に立っておらず、悪臭が鼻を襲ってくる。
「さっさとサンプル回収して離れるか、鼻がバカになるよこれ」
「賛成だな」
 こんな臭い仕事、さっさと終わらせたいと二人の考えは一致していた、そのため、無理やり歩みを進めて巨大な死体へと近付いていった。



 その様子を影でじっと見ているものがいた。
「イカカカ………アレは使えるんじゃなイカ?」
 海岸にある岩場にあのイカルス星人が隠れていたのだ。
「あの怪獣はイカイ……じゃなくて死体、そしてこの悪臭、もしかしたら」
 よからぬ考えを思い付いているイカルス星人、顔に完全に出ている、何かをしでかしてやろうという悪い顔だ。
「イカリモコン!」
 そこでイカリモコンを取り出し操作、何かを呼び出そうとしていた。
「これでよし、汚名返上して悪の宇宙人連合軍の計画をもっと進めてやろうじゃなイカ!」
 その野望を言い放った瞬間、岩場に打ち付けられた海水が高く上がり、その海水を頭から被って水浸しとなり、大きな耳が濡れて垂れた。
「塩っぱいんじゃなイカな」




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