ウルトラマンゼロIF―NEW EARTH ODYSSEY―

□SEQUENCE07『閉ざされた遊園地』
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「おっはよ〜う!」
 ある朝のディレクションルーム、シンが元気よく挨拶しながら中に入ってきた。
「オーッス」
「おはようございますシン」
「おはようシン」
「シンくんおはよー」
 中にはアカネ達がおり、挨拶を返すのだが。
「アレ?レヴィは?」
 ネオスーパーGUYSのもう一人の元気っ子レヴィがいない。
「今日は休みよ」
「あーあ、そういや言ってたな、明日は友達と遊園地だーって」
 昨日のレヴィとの会話を思い出し、いない理由に納得した。
「ええ、学生時代からの友達二人とユーリと一緒に、本当はディアーチェが行く予定だったのですが、突然外せない講義が入ってしまい、一人枠が空いてしまったんです、そこでちょうどレヴィが休みだったので、ディアーチェの代わりに、というわけです」
 細かい理由を話すシュテル、まぁ、ディアーチェがいなくても一緒に遊びに行っていただろうが、今日は一般的にも休日なのでレヴィがもともと務めていた会社も休み、そうなると行く宛ては海鳴市しかないのでちょうどいい用事だった。
「シュテルも行きたかったでしょ?」
「ええ、今回は予定が合わなかった、それだけです」
「何よ、悟ってるように割り切っちゃって、可愛げがないわねもう」
 シュテルのつまらない返答に残念がるアカネは不貞腐れる。
「だけど遊園地か………いつぐらいだろ私」
「そういえばハルカは彼氏いたよな?」
「そうなのか?」
 カズヒコが切り出したその話に興味を示し、現在進行形で恋をしているシンは食い付いた。興味を示している事を感じたハルカは頷いた。
「うん、カケルくんって子なんだけど、今はZAPで働いててね、宇宙を飛び回ってるよ」
 ハルカの仕事よりも彼氏の仕事の方が原因でそんなにはデートができていないようだった。
「確か三ヶ月前だったわよね、休暇届け出して休んだの」
「はい、そうだ、三ヶ月前に一緒に出掛けたんだ」
 思い出してその時の思い出に浸るハルカ、少しの間そっとしておく事にした、もし話し掛けたら惚気話を聞かされる事になるからだ。
「恋人と一緒か………」
 それを呟き、シンが思い浮かべるのは想い人であるシュテルとの遊園地デート、遊園地は光の国にもあるのでどういうものか理解している。シュテルとのデートをシミュレーションしていると、ただの妄想だけで顔を赤くした。
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