ウルトラマン〜無限の輝き〜※リメイクしました

□第5話『無限光臨』
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 二年前……二回目もモンド・グロッソが開催されており、初代王者の千冬ももちろん参加していた。



 その最中、ドイツのD40ポイントにある倉庫の密集地帯、そこで事件は起きていた。
「まったく、篠ノ之束の妹を誘拐しようとしたらブリュンヒルデの弟を誘拐するはめになるとはな」
 一軒の廃倉庫内、その中に建つ柱に一夏が縛り上げられ、捕まっていた。
「俺達の篠ノ之箒を誘拐して篠ノ之束を誘きだす計画が狂っちまったじゃねーか」
 誘拐犯の一人が言った通り、束を誘きだすべく箒を誘拐しようとしたのだが、タイミングがいいのか悪いのか、一夏が一緒にいたのだ、一夏はそれを黙っているわけもなく、阻止するべく抵抗されたため、仕方なく一夏を誘拐する事になってしまった。
「まぁいいじゃねーか、ブリュンヒルデは篠ノ之束の親友だ、その弟を誘拐されたとあっちゃ姉も篠ノ之も出てこないわけにもいかねーだろ」
 だが、計画はまだ動いていた、束の親友の千冬の弟を誘拐したわけだ、それを利用しない手はない。
「とりあえずブリュンヒルデにはこの事を伝えておいたぜ、噂によれば家族はコイツ一人しかいねーんだ、放っておくはずねーよな」
 千冬の事だ、大会を投げ出して一夏を助けに来るに違いない、それを一番よく分かっているのは一夏自身だ、だが、同時に情けなくも感じていた、確かに千冬は助けに来る、だが、それに甘んじているしかない自分がとても情けなかった。
(また千冬姉に助けてもらうのか俺は………)
 その情けなさから、一夏の目付きが鋭くなり、睨み付けているような目になってしまった。
「犯行的な目だな?」
 その目を見た誘拐犯はそれを反抗的なものだと勘違いしてしまい、燗に触ったらしく、一夏の頬を殴り付けた。
「おいおい、間違っても殺すなよ?一応人質なんだからな」
「分かってるよ」
 少しの暴行などお構いなしのようで、そのまま仲間に暴行を働かせた。
「た、大変だー!」
 すると、誘拐犯の一人が血相を変えて飛び込んできた。
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