ショートケーキ

□そんな貴方はこっちを見ていて
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『あっ…!坂田さんいらっしゃいませっ…!』

「おう、きたぞぉ〜」

『こちらへどうぞっ!』


カウンター近くの席に坂田さんを案内する




現在午後3時頃、カフェでは何人かのお客さんがくつろいでいる


そんな中働く私。でも、この仕事が大好きです!
スイーツを食べて美味しいと言ってもらえたり、笑顔で食べる子供を見たりすると胸がいっぱいになるから




『坂田さん、今日はお一人なんですね!』

「あぁ、ってか聞いてくれや…あいつら俺置いてどっか食いにいっちまってよぉ…!?」

『ふふっ……また寝てたら置いてかれちゃったんじゃないですか?』



笑いながらそう言うとどうやら図星みたいで




「そそそそそ、そんなんじゃ、ないしぃ!!?銀さんきっちりまんだからね!!」

『はいはいっ…さて、ご注文は!』


「パフェ一つ!」

『了解いたしましたっ!坂田さんの為に糖分控えめにで作りますねっ♪』

「おいおい…勘弁してくれよ…!」





そう言ってくすくす笑いながら敬礼をすると







ガシッ






『へ…?』









カウンターの方へ戻ろうとしたら




いきなり手を掴まれた、すぐ坂田さんとわかる。


『さ、坂田さん?』


「……あのよ、あや?」

『ど、どうしました!?』





えらく緊張し、頬を染めているのでこちらも緊張してしまう。




「そ、の…俺ん、とこ…よ………苗字で呼ぶの…やめ、ね?」

『え…?』


「だ、だからよ……名前で普通に呼べよ…」

『え…っ!?で、でも恐れ多いです!』



「な、なんだそれ!!それによぉ!もう結構付き合った仲、だし…よ?敬語とかも…やめね?」




坂田さんは席についていたため立っていた私の顔を覗き込むような形になっていて、
まるで悪いことをした犬みたいな…しゅんとした顔をしていた。



そ、そんな顔しないで…!




『えと…わ、わかりました!……じゃぁ…銀、さん…でいい?』

「お、おうっ!それでいい…っ!」


しゅんとしていた顔がすぐにぱぁっと明るくなり、



子犬……みたい。


そう思い、頬が歪んでしまいそうになる。




『それじゃ、ごゆっくりっ』

「おう、さんきゅ」




そう言ってカウンターに戻り一息。


すこし心臓の鼓動が早い…



『銀、さん…か』


ひとりでに呟くと、なんだかくすぐったい気分。

ふふっと笑いながらパフェを用意してると店長が中から出てくる



「あら、あやちゃん嬉しそうね♪」



此処の店長さんは女の人で、まるで優しいお母さんのような人だ


『そ、そんなことないですよ!』

「顔に出てるわよー…?…最近きてる、銀髪のお侍さんかな?」

『ふぇっ……!?』

「図星みたいねっ…♪」



にやついてからかい、耳打ちしてくる店長。



「うんうん、あの人とあやちゃんお似合いよ?」

『だ、だだだだから!そんなんじゃ…ないんですってばぁ!』

「それにそれに…あの人。いつも優しい目あやちゃんのところよく見てんの知ってるわよ?」

『え……?』

「なんか見守ってる目?……っていうのかしら!」

『き、気のせいですよ店長…』


そう言いながら銀さんのパフェを用意する、甘さ控えめなのでチョコソースも少なめ。
ホイップも銀さんように、甘いけれどあまりカロリーのないもの

喋りながらもできあがる


「あーら、私の目を疑うの〜?ほんとよ、ほーんと!」

『もうっ…私これ運んできますね!』

「ええ、あーんでもしてきなさい♥」

『もう!店長……』

「うふふっ……」


さぁ、お仕事お仕事と言って中に入っていった。



もう…からかうんだから……




優しい目…。


いつも優しげな目だとおもんだけどなぁ…




そう思いながら銀さんの元に向かった。
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