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□水色の初恋
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カチカチとなる時計の音を聞き流し、頭の寂しい先生の書く黒板を焦点の合わない目で見ながらふ、と溜め息をつく。
『…(つまんない)』
欠伸と一緒にはきだしてしまいそうになった言葉をグッと堪える。
この間うっかり口に出してしまった時は、出席番号でも席順でも何でもないのに指されてしまったのだ。
もうあんな失敗絶対にしないと心に堅く誓ったのを覚えている。
だがしかし、つまらないという私のこの気持ちは誰にも止められない訳で。
さっきからシャーペンが転がる音さえも気になる位に気が散ってしまっているのだ。
そんな私が窓の外から聞こえる笛の音に興味を持たない訳が無かった。