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□水色の初恋
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外を見てみると、あるクラスが体育の授業をやっているらしかった。
あぁ、火神が居るからB組か。
やっぱり運動神経の良い人っていうのは自分の得意なスポーツで無くても出来てしまうらしい。さっきから点をどんどん入れている。
何であんなに点が入るんだろう。バスケでも…………
そう考えて、ハッとした。
水色の髪の影の薄い彼が頭をよぎる。
ーーー黒子テツヤ。そういえば彼もB組じゃないか。
私が何故あの影が薄いと呼ばれる彼を知ってるかは、2つ理由がある。
1つ目は、バスケ部のことは全然知らないけど火神と黒子のコンビネーションがどうとかそういうのはバスケ部の日向先輩っていう先輩が好きな友達に聞かされたことがあるからだ。ほとんどが日向先輩の話だったけど。
2つ目は、私が図書委員会だからだ。
じゃんけんで負けて図書委員会になってしまった私が担当する日と、黒子君が図書室に来る日が被っているのだ。ついでに昨日はアガサ=クリスティの本を借りていった。スゲェ……
そんな感じでまぁ、私は黒子君を知っている。カウンターに居るの何回も気づかなくてごめんなさい。
ちょっとした罪悪感を頭の中から揉み消し、黒子君を探す。
………ダメだ全然見つからない。こんなに目を凝らして探しているのに見つからないなんて、体育の時間にもミスディなんとかとやらを発動してるのだろうか。
もうこれ以上探したところで見つからないだろうと思い、仕方無いからつまらない授業に集中するか、と目線を外そうとしたその時、
ーーーー訳のわからない方向から火神にボールが向かっていったのだ。