短編

□喧嘩するほど仲がいい
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ある日、僕が廊下を歩いていると「ぎゃーーー!!!」と言う断末魔が保健室から聞こえたので急いで行ってみるとそこには…
「…ねぇ、留三郎…僕さ、あれほど喧嘩するなって言ったよね?言ったよね…?」
と、にこにこと黒い笑みを浮かべ治療をしてる伊作と失神しかけてる留三郎がいた。
「ご、ごめんなしゃ…許して…」
留三郎はあまりの痛さに舌が回らないようだ…ご愁傷様…
僕がそう思いながら手を合わせていると伊作と目が合った
「あ、頼明どうかしたの?」
と言いながら伊作は先ほどとは違いふわっとした笑顔を僕に見せる
「あ、ううん、なんでもないよ!さっき留三郎の断末魔が聞こえたからどうしたのかなって思っただけ」
僕はにへっと笑い留三郎に目をやった
すると、一瞬にして伊作の目は冷たく変わりこう言った
「あぁ、留さんね…。文次郎とあれほど喧嘩するなって言ったのに喧嘩してさ〜…だから体でわからせてあげたんだ♥」
伊作…恐ろしい…てか、後ろのハートが黒いよ!
僕は乾いた声ではははっ、と笑うと用事があると伊作に言いすぐその場を離れた。
襖を閉める前に留三郎がこちらを見ていたが気にしない…気にしない…

気にしないったら気にしない!!
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