読み物
□良い関係。
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「鬼灯様ってさ、紅葉ちゃんのこと大好きだよねェ。」
「あっこら茄子!失礼だろ。」
ガッシャンッドカンッバキッ
茄子くんがとんでもないことを言うものだから手に持っていた花瓶を落としてしまった。
そして混乱した私はそのまま茄子くんをボッコボコにする。
「なっなんで殴られたんだろう……。」
「茄子、お前はもう少し考えてから口に出せよ。」
呆れたように唐瓜くんが茄子くんを起こす。
私も一緒になって呆れたように茄子くんを見下ろした。
『あのねぇ、likeだろうとloveだろうとよりによって何であの糞上司が「私がなんですか?」
「「『ギャアアアッ』」」
「なんですか失礼な。」
そうかこういう話は通路でしてはいけないんだね、勉強になりました。
まぁ私の部屋でしたところでさ、プライバシーもクソもないからどこで話しても一緒か。
茄子くんと唐瓜くんは慌てつつも上手く誤魔化してその場を後にする。
逃げやがったなあいつら……
「それで、私がどうかしました?」
『いやあ、茄子くんの野郎が、鬼灯さんは私のことが大好きだよねェなんてのたまったんだy……鬼灯さん?』
文字通りポカーンとした表情で固まってしまった鬼灯さん。
あれ、これは脈有なんじゃないかとニヤニヤしながら鬼灯さんの顔を覗き込む。
『もしかして、地獄舞台の上司と部下、禁断の恋愛……フゴォッ!』
「気持ち悪い。」
『ねえちょっとは言葉をビブラートに包みなさいよ。』
「ビブラートには包めません。オブラートです。」
『ぐっ、そうとも言う……。』
「勉強も兼ねて、この書類お願いしますね。」
『ええっ重い!!』
散々私を馬鹿にした挙句、鬼灯さんは私に大量の書類を押し付けて、仕事へ向かって行った。