短い読み物

□ちっちゃくなっちゃった!?
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『ふあーあ、疲れたぁ。』
「お疲れ様です。」
『今日はホントに忙しかったね。』
「そうですね……あのアホがサボるから余計な仕事が増えるんです。一度椅子に釘で打ち付けましょう。」
『いいね、賛成!』



お仕事終わりにふたりで部屋へ向かう。
大王の愚痴を言いながらこうやって仕事を終えるのもいつものこと。

いやあ今日は忙しかったよ。
私は結構あちこち飛び回ったんだ。
現世に逃げた悪霊捕まえに行ったり、桃源郷に薬取りに行ったり、EUからお見えになった客人もてなしたり、八寒地獄に行って決算報告のやり直しさせに行ったりさ……


お腹減ったけど食堂はさすがに終わってしまっている。
今日もまたいつもの晩酌会かな。


『鬼灯さんお酒持ってきて。私はおつまみ作っておくよ。』
「了解しました。」


そう会話して部屋の前で分かれる。



さて、おつまみどうしようかな。
スルメとかは最近切らしちゃったんだよね。まぁ適当に乾物でも出せば良いか。

あ、そういえば桃源郷に行ったときに白澤さんからお土産もらったんだった。
……なんだろうコレ。
匂いは甘ったるいし、見た目は果物っぽいからデザートな感じかな、よくわからないんだけど、味見してみよう。


包丁で切って……おおリンゴと桃とマンゴー混ざった感じだ。
なかなか美味しいではないk……

『……あれ?』



あれれ〜?(コ●ン風)

こんなにキッチンって高かったっけ?
というか届かないぞ?


自分の手を見てみる。


……!?


ち、縮んでるゥゥゥゥ!!!

ほッ鬼灯さんに知らせなければ!
いや、白澤さんからもらったもので縮んだなんでバレたら何を言われるかわからない!
どどどどどうしよう


「紅葉さん、今日のお酒はこれにしまs……」




終わった。
見つかってしまいました。
慌てて着物を手繰り寄せて体にぐるぐる巻きつける。


「――紅葉さん?」
『……ひゃい。』
「!?」


……あれ。「ハイッ」て答えたつもりだったんだけどな。
それより鬼灯さん、なんだその表情は!!初めて見たぞ!
ちょっと和んでんじゃねーよ!


『ふぇ……どうしよう鬼灯しゃん…。』
「困りましたね。」


おい。全然困った顔してねーだろお前!


結局その日の晩酌は無くなって、鬼灯さんに着物などの手配と、介護か!とツッコミたくなるほどの手厚い補助を受けました。
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