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□お見舞い
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ーーとある朝練の日。
神奈川県にある強豪校立海大付属中学男子テニス部は今日も朝早くから練習をしていた。
「えっ? 切原先輩、今日お休みなんですか?」
同じく立海大に通う中学1年生の竜崎桜乃は男子テニス部のマネージャーである。
本来マネージャーは朝練には参加しなくてもいいのだが、桜乃は元より真面目な性格であり少しでもみんなの役に立てるようにと毎朝参加しているのだ。
そんな優しいマネージャーにレギュラー含む他の部員もみんな桜乃を頼りにしているのだ。
そしてそんな中、桜乃は2年生エース切原赤也が休みなことに驚いていた。
「そうみたいだぜー。朝、俺の携帯にメールきてたし。 急に熱がでたらしいぞ。」
丸井がみんなに説明していると、
「それにしてもあの赤也が風邪なんて珍しいね。」
「バカは風邪ひかないっていうのにのう。」
「…仁王くん。バカだからこそ風邪をひくんですよ。」
「おいおい…。」
「赤也が冷房をつけて腹を出して寝ていた確率100%」
「全く、自分の健康管理もなっとらんなんてたるんどる!」
と、みんなかわいい後輩を心配(?)していた。
(…切原先輩体調大丈夫かな…。)
桜乃が悶々と考えていると、
その姿をみた幸村がふいに思いつき桜乃に声をかけた。
「ねぇ、桜乃ちゃん、ちょっと頼まれて欲しいことがあるんだけど」
「…えっ?」