文
□お見舞い
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「 ふぁ〜〜〜っ、よく寝たー!」
(熱も微熱程度になったしこのままだったら明日からまた部活できるな〜 とりあえず喉かわいた…。)
夕方になり先ほどまで寝ていた切原が1階のキッチンにきて飲み物をとりにきていた。
ふと、時計をみた切原は
「 …そーいえば、この時間だと部活もう始まってるよな。 あ〜〜っ、テニスしてぇ〜〜〜!!」
「それに… 」
(竜崎にあいたかったな…。)
部活のことを考えていた頭の中で1個下のマネージャーのことを思っていた。
いつも朝練に遅刻ギリギリな自分を笑顔で迎えてくれる。
おどおどしているかと思ったら芯の強いところをみせたり
つねにみんなのことを気遣い一生懸命な優しいマネージャー
最初は可愛い良い後輩だと思っていたが、接していく内に次第とそれは恋心へと変わっていったのだ。
「 あーあ。竜崎が見舞いにでも来てくれたらなー。」
と、心の声を漏らしたら
ピンポーン!
「 …んっ??」
家族はちょうど外出していたため切原が必然的に玄関に向かった。
「 はいはーい!どちらさ……」
ガチャっとドアを開けた先には、
「…こ、こんにちは、切原先輩…! 」
まさに心の声を漏らした人物、桜乃がいたのだ。
「 はっ!?えっ? … りゅ、竜崎!?」
「あの!お見舞いに来ちゃいました…!! これお見舞いの品です!よかったら…」
少し恥ずかしいのかおずおずと袋いっぱいの物を切原に差し出した。
「 あっ、あぁー… サンキュー。とりあえず玄関じゃなんだし上がっていけよ。」
「い、いえ!体調悪い先輩に申し訳ないですし、ご迷惑になるのですぐ帰ります!」
「いーって、いーって! 身体もそんなにダルくないし。せっかくきてくれたんだしお茶ぐらい出すからさ!」
(せっかくのチャンスをここで逃すわけにはいかないし! )
切原がそう言うと、
「……そしたら、お言葉に甘えてお邪魔します」
「どーぞ!どーぞ♪」
(〜〜よっしゃー!今日は邪魔な先輩たちもいないし家族もいないし………。 んっ? …家に誰もいないってことは今の状況って2人きりってことだよな……?)
(〜〜っ///! いやっ!そんなこと考えちゃダメだろ!!向こうはお見舞い来てくれたんだし! )
「っ!先輩!?顔が赤いです! まさか、熱が上がったんじゃ… すぐに横にならないと…!」
「へっ??い、いや、そんなことねーって…
「ダメです!すぐに安静にしないと!」」
(な!なんでこんな状況に///!)
あれから熱が上がったんじゃないかと勘違いした桜乃は切原をベッドに寝かして傍に座っていた。
「何かしてほしいこととかあったら言ってくださいね。」
と心配そうに言っていた。
「...わ、わかった」
(うわ〜〜なんか、はずくてこんな返事しか返せねー///!)
(あれっ? そーいえば、)
「竜崎、今日部活は?」
何かを思い出すようにカバンから手紙を取出し、
「実は幸村部長からこれを渡すようにと部を代表して先輩のお見舞いを頼まれて。」
どうぞ!っと、渡された手紙の内容を読むと
びっしりと練習メニューが書かれていた。
がくっと赤也がうなだれていると、
「でも、切原先輩がいなくて他のみなさんも寂しそうでしたよ」
「寂しいとかはねーって、むしろいじる相手がいなくてつまんねーとか思ってるだろ」
「そんなことないですよっ!
私は切原先輩がいなくて寂しいと思いました。」
「...竜崎」
「早く元気な先輩の部活姿みたいです」