夢の世界へ
□冷たい君 〜紅夢〜
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ブーンブーン
ゆきのマナーモードの携帯がゆれた。
「もしもし…」
出たとたん、大好きな人の疲れた低い声が聞こえてきた。
「今すぐ、来て」
「えっ!?どこにですか!?」
「どこにって、家に決まってるやん!!早く」
好きな人の声は、だんだんイライラした声にかわった。
ゆきは、急いで支度をして、その人の家に向かった。
部屋を、見ると灯りは消えて真っ暗だった。
(あれ…?さゆみさんどっかいった?もしかして)
取り合えず部屋に、ゆきは向かった。
ドアノブに手をかけると鍵が、かかっていなかった。
「さゆみさ〜ん。いるんですか!?」
ゆきは、小さな声を出しながらゆっくり中へ入って行った。
一歩二歩進んだところで、腕を引っ張られた。
「キャー!!」
力強く引っ張られベッドに、放り込まれた。
誰かが覆い被さってくる…
「さ、さゆみさん!?」
答えてくれない誰かは、ゆきの口を手で、ふさいだ。
「ん…う」
暴れても、全くかなわない…。
ふといつもの香りがした。さゆみさんの香りが…。