Ib~ようこそゲルテナ展へ~
□悪夢の始まり
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「変な絵ね」
アタシはギャリー。こんなしゃべり方だけど、一応男よ。
今ゲルテナ展にきているのだけど、正直よくわからないものばかり。
「よくこんなの思いつくわね」
「吊るされた男」という絵を見て思わず口に出てしまった。
男が足をロープで縛られ、吊るされているだけの絵なのだけれど、つい見てしまう。
どれくらい見ていたのかしら。
「さて、そろそろ帰ろうかしら」
そう思ったアタシは、周りを見て驚いた。誰もいないのだ...
「どういうことなの?」
アタシは不思議に思い少し戸惑ったけれど、受付近くのドアまで戻った。
「ここの人もいなくなってるわね。まあ、いいわ。帰りましょう...ん?」
ドアを開けようとしたのだけれど、ドアに鍵がかかっていて開かない。
「どうしてよ!」
アタシは少しパニックになってしまったが、深呼吸をし落ち着くことにした。
「困ったわね」
そうつぶやいたアタシは、不意に周りを見渡して1本の道を見つけた。
「あんなところに道なんてあったかしら...?考えていてもダメね!こうなったら進みましょう!」
そしてアタシは、これから起きる「悪夢」のような出来事へと足を踏み出した...