Ib~ようこそゲルテナ展へ~
□崩れる心
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「ほんと、いったいここはどうなっているのかしら?」
頭のない人形、無個性。
色ごとに名前を分けられている女の人の絵、例えば、赤い服の女。
なぜかここにある作品たちは、どこかの映画のように動く。
「まあ、床にある無数の目みたいな気持ちの悪いものばかりじゃなくてよかったわ…でも、襲ってくるのはかんべんしてほしいわ。」
「ねえ、ギャリーバラがしおれてきちゃったよ…」
アタシたちは二人ともバラを持っている。イヴは赤いバラ。アタシは青いバラ。
どうやら、このバラとアタシたちは一心同体らしい。
「えっ!?大変じゃない!あの部屋に入ってみましょ。もしかしたら花瓶があるかもしれないわ。」
アタシたちは二つ並んだ部屋のうちの、右にある部屋に入った。
「花瓶はないわね。」
「でも、鏡があるよ。ちょっと見てみようよ。」
部屋に入って、そのままドアからまっすぐ行ったところに大きな鏡があった。
こんなところで鏡を見るのは正直怖いけど…
「いいわよ。見てみましょう。」
アタシとイヴは二人で並んで鏡の前にたった。
「…え?」
アタシは突然のことですぐに理解することができなかった…