水焔華

□零
2ページ/3ページ

俺は酷く困惑していた

「今、何と言ったのですか……?劉備様」


「だーかーらー!趙雲、お前兎喬と婚約しろ」



「何を急に言うのですか!!」

そう、我が主、劉備様が私に幼馴染みの兎喬と婚約しろと言うのだ。


「急でもなんでもないだろ、ずっと言ってたじゃないか、嫁娶れって」

ドヤ顔でポーズを決める劉備様
言わないけど全く決まってない

「し、しかし兎喬と私はただの幼馴染みで……」

「あら、でも兎喬は貴方の事をとても大切に思っていますよ?」


「奥方様まで…」


「ねぇ趙雲?、貴方は兎喬の事―」

バンッ


「兄ぃ!!」
『劉備様!!』



「『兎喬(私)が趙雲の婚約者になるって本当かよ!!(ですか!?)』」


あぁ、兎喬と張飛にまで話が届いているのか


「うん、そだよ?」

『本当に……?』

「うん」

「……マジ?」

「うん」

『夢じゃないですよね?私が趙雲の奥さんになれるんですよね??』

「だから、うん」

「いりますかそのくだり!!
兎喬、何処で聞いた」


「私です。」

「孔明殿……」


この人は何を考えているのか全くわからない
確かに頭はいいし、悪い方ではない


「趙雲、兎喬は幼い頃から貴方の傍にいて、想いを寄せていました。それを婚約できるんです、嬉しくないわけがないでしょう」

「しかし…」

「早く伝えてあげたかったんですよ
趙雲も決して兎喬の事、嫌ってはいないでしょう?」


「孔明殿…
そうですね……兎喬は、私の大事な人です。」

『趙雲…』

そう、孔明殿はいい人だ、が―

「趙雲……もうそのまま結婚しちゃいなさい」

「は?」

「兎喬は大事な方なのでしょう?アハッ相思相愛じゃないですか!!」

「孔明殿!!!」

何故いつもボケたがる!?

『趙雲///』

「兎喬!お前も真に受けるな!!」

「だーかーら!とりあえず婚約なんだってば!!」

「劉備様……」


「お互いを改めてそういう目で見て、一度考えてみるくらいならいいでしょう?兎喬の気持ちはわかりますね?あとは趙雲の気持ち次第です。ね?」
「……劉備様と奥方様が仰るなら」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ