【恋する総理令嬢】
□【ほほえみのばくだん】
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【ほほえみのばくだん】
総理大臣の娘と分かり、わたしに警護つくようになって結構な時間がたった。
SPのみんなはわたしにすごくよくしてくれて、
みんなのこととっても大好き。
昴さんはすごく面倒見が良くて頼りがいがあるし、海司には何でも話せるし。そらさんとは趣味もすごく合うし、瑞樹さんはいろんなことを教えてくれる。
桂木さんはいつもお父さんの警護をしてくれていて、私とお父さんの関係にもずいぶん配慮してくれていて、とっても感謝している。
・・・感謝してるん、だけど・・・
桂木さんに対しては、感謝より申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
警護してもらっていると、なぜが息がつまるような気がしちゃう・・・
みどり「あれ?今日のSPは桂木さんなんだ?珍しいね」
りう「うん・・・桂木さんはお父さんの警護につくのがほとんどだから」
みどり「なんかテンション低くない?どうかした?
あとりう、さっきからめっちゃ釘打ってるけど一個もささってないよ!」
「あっ!っぁ〜あ・・」
今日は部員全員で、次回の公演に使う舞台背景を作っている。
桂木さんは、邪魔にならないようにと入口付近で待機しているのだ。
りう「だって・・・桂木さんってすごいSPだっていうし、班長さんだし、絶対忙しいはずだもん。
なのにこんな小娘のお守りさせちゃうなんて・・・海司とかが警護についてくれるときより申し訳なく思っちゃってて・・・私なんかのために時間を割かせていい人じゃないと思うんだもん」
ほんとは、せめて部活は休もうかと思っていたところ、桂木さんが出るようすすめてくれた。
だからせめてマッハで終わらせようと釘をうちまくっているけど曲がるばっかりで全然入っていかない。
うう、わたしの不器用め・・・
みどり「ふ〜ん・・・まあ言ってることはわかるけどね。
でもりうを見てる桂木さんの顔をみるかぎり、桂木さんはそう思ってなさそうだけど?」
りう「え?顔・・・?」
りう「////////!!!」
・・・
ーーーーー今思えば、完全にこのときだったと思う。
彼に会ってからもうずいぶん経つというのに
私を見る、桂木さんの優しいまなざしを、初めて見て
りう「////!!」
ボンっ
みどり「あ、りうが爆発した」
一瞬で、恋に落ちてしまった。