キセキの世代たち

□紅葉
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帝光中学校の裏の方に、毎年紅葉がとても綺麗な場所がある。

今年も秋がやってきた。










放課後、私はここへ来る。
赤い紅葉が並び左右どちらを見ても紅葉しかない。
でも、それが落ち着く。
夕日が紅葉をライトアップするかのように差し込む。


私だけの場所。
そう思ってた。




「綺麗…」
「あぁ、今年も綺麗だ。」
「え?」

一人できた筈なのに。
後ろを振り向くとそこにいたのは
「あ、赤司くん///」

私が片想いしている相手、赤司くんだ。

「君もここが好きなのかい?」
「え、うん。ここに来ると、すごく落ち着く。」
「僕もだ。」
「赤司くんも?」
「あぁ。ここに来ると一人で考え事ができる。」

そういうと、紅葉の木に近づき見上げた。
夕日が赤司くんも照らす。
(…綺麗///)
紅葉が良く似合う人だと思った。


じっ、と彼を見つめていた。
すると、彼はこちらを向き笑った。
「何か付いてるか?」
「あ、ううん。考え事するなら、私邪魔だよね。」

じゃあね、赤司くん。
そう言って歩きだそうとしたとき、腕を掴まれた。

「え?///」
「ここにいていい。」
「でも、」
「僕の命令は?」
「…絶対?」
「よし。」
そういうと彼は頭を撫でてきた。
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