世界の終わりと癒しの歌2
□【本編】隣で笑うから
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貴方が隣で笑うから私は今まで頑張ってこれたんだ。
だから…………
『ありがとう』
「目、覚めた?」
目が覚めたティキに静かに声をかけるとティキは、目を細めながら私の頭を撫でた。
「……はよ。
なんかあったか?」
あの日…あの夢を見た日から私は底知れぬ不安を頭から拭えずにいた。
ねぇティキ…ねぇロードこれからもずっと皆一緒に過ごせるよね?
私が感じてるこの不安は、ただの思い過ごしだよね?
この間見た夢は回避できる未来だよね?
「ううん、何でもない!
お腹空いただけだよ。朝ご飯食べにいこっか!」
強引にティキのふった話を終わらせた。
ティキは何か気づいたみたいな顔をしたけれど、それ以上その話はしないでいてくれた。
ティキの手を握って食堂までの廊下をただ歩く。
この先起こるかもしれない未来への恐怖をただこの胸で感じながら。
食堂の扉の前につくと中から響くロードやジャスデビの騒ぎ声…
この時、この瞬間に幸せを感じることができる。
今はまだこの不安を取り除くことはできないけれど…
いつ来るかもわからない未来にこの身を震わせるのはもうやめる。