世界の終わりと癒しの歌

□【共通】力をつける
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「はぁ…はぁ……けほ……っぐ」


「ふはは~!!
女だ…!女だ…!!女だぁぁぁぁ!!!!」


アクマは容赦なく私の腹部に拳をめり込ませる。

女だからと容赦は無い。

アクマにとっては、人間なんて敵じゃないでしょうね……
アクマにとって、人間は遊ぶための玩具でしょうね
でもね?玩具の中には私達のように、貴方たちに抗う玩具も居るのよ?

私は口を開く。

「遊んであげましょうか?」

怪しげに
口角を上げて、挑発するように

「はぁ?今遊ばれてるくせに!!!」


夜の闇に女の笑い声が響く

(クロスに手を出すなと言われたけど…遊びで殺されるよりましよね?)

………クス…………クスクス

「なにがおかしい?」

クス…クスクスクス…

「笑うな…」

クスクスクス…クス?

「笑うな!笑うなぁぁぁぁ!!!」

「たかが、玩具が笑っただけ…それだけなのに、何を取り乱して居るの?」

冷や汗が体を伝う。
今まで拳でねじ伏せていた女に何故か勝てる気がしない。

なんでだ…?

なんで…?

なんで……

「力の差がありすぎるからよ。
人間の女だと思ってなめていたのが、命取りだったわね…」


アクマの額に掌を乗せる。
目からはとめどなく涙溢れて、身体からは汗が流れる。

「大丈夫。救ってあげるから…」


その一言で、アクマの焦りは無になった。
今まで何を恐れていたのかと錯覚してしまうほどに心が穏やかで、目の前に居る少女を美しいと思っている自分がいる。
こんな事を感じて居る自分をひどく軽蔑して、ひどく決別したくなった。


「天に帰りなさい…
Because I can be rebeared……」

少女が言葉を紡ぐと手首に光るブレスレットは、美しく蒼光する日本刀に姿を変える。

今目の前に居るのは元は日本の人間であったlv3…日本で生まれたアクマには珍しくないレベルだ…

「悲しいアクマに慈愛と安らぎを…」

少女の美しさに動きを封じられたアクマはなんの抵抗もできぬまま、日本刀の餌食となる。
まるで、アクマの血を欲していたかのように、日本刀はドクドクと脈打つのだった。

「ぁありがと…う」

バァァァァァン!!

爆発したアクマを悲しく見守りながら今日も思う。

「どうか、次の人生で愛されますように……」

悲しくて悲しくて悲しくて、涙が出そうになる。
父さんと、母さんは、アクマだった。同じアクマを私の手で倒してゆく、そんなの耐えきれない。
そう思う日も少なくはなかった。
でも、ふと思う。父さんと、母さん以外にできてしまった大切な人達は誰が守るの?
そう思う。
平和な世界で皆と笑いたいから、私は戦おう。


私の弟弟子にも早く元気になってもらわないと困っちゃうから
マザーにも迷惑かけっぱなしは、後が怖いし私が面倒見なきゃと思う今日この頃……
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