世界の終わりと癒しの歌

□【共通】元帥そして別れ
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朝一番で大元帥に呼ばれた。

大方、予想は出来た...私がここへ来て2年が経った...もう元帥として動き出せ...そういうことだろう...



「お呼びでしょうか...大元帥」


「お前はやらねばならない...元帥として」

「はい」

「その任務は...」



そうして命令は無事下り、私はコムイの元へ来た。

もう、エクソシストとして動けないことを報告しに...


司令室の前まで来て私は立ち止まるノックをすることを躊躇ってしまう。
なんでだ...こうなることはだいぶ前から決まっていたはずなのに...

なんで今更別れを惜しむ...?


私はため息をついて扉をノックした。


コンコン


「コムイ、居る?」


「入っていいよ」

軽く返事が返ってきた後、震える足を一度地に打ち付け私は扉の中へと足を進める。


「おはよう」


「こんな時間に来るなんて珍しいね、何かあった?
怖い夢でも見たのかな?」


悪戯にそういう貴方、本当にそうならいいのに...

怖い夢を見て、朝早く起きてしまう、そして震えが止まらない私はコムイの所へ行って話を聞いてもらう。

これが真実ならどんなによかっただろう...



「コムイ...話があるの...」


「うん?」


私が真剣に話そうとすると貴方はとても真面目に私の話を聞いてくれる...

いつもふざけている貴方だから、私はそんな瞬間がとても嬉しかった。


「元帥として、任務に行くことになった...
しばらく、教団には戻れないだろう...」


コムイは目を見開く...この瞬間泣きそうだった私は冷静さを取り戻した。

私は、守らなければいけない...
こんな場所で、駄々をこねている場合ではない。



「大元帥から...?」


「うん。任務内容は言えない...ごめんね...でも、いつか必ず帰って来るよ...」


"いつか必ず帰ってくるよ"その言葉は本当にしばらく帰ってこないことを意味していて、途端に寂しくなった。
教団で待つことしかできない僕は君に何がしてあげられるんだろう...

そんなことを考えていると、歌姫が不意に抱き付いてきた。
抱きしめ返すと僕の後ろに回っている手は力を増す。


「いつか、ここに私の愛する家族がやってくる...その子はとても優しくて、自分の事より他人を心配するような子だ...それに、家族というものにあまり慣れていない......
だから、とびきり優しくしてやって...任務から帰ってきたら、お帰りと言ってやって...」


「うん......わかった...」



あぁ...愛おしい家族よ......

私は、このホームに帰って来る事が出来るだろうか...

いつか、いつの日か帰って来る事が出来たなら、この時は元気よく"ただいま"と言おうか...
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