世界の終わりと癒しの歌2
□【本編】本当の私
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共存…して居るつもりだった。
貴女は慈愛に満ちて、優しい人なんだと思ってた。
でも違ったね…
私が思っているほど生ぬるい人なんかじゃなかった。
私が思ってるほど生ぬるい関係なんかじゃなかった。
14番目…裏切りのノアと貴女はあんなにも憎しみあって居たんだ…
アレンが14番目の資格を持つと解ったあの日、私の中には私自身も震え上がるほどの怒りと悲しみが渦巻いてた。
家族の元に帰って、異変はどんどん膨らんで…ティキと恋人になった次の日、ついに異変は異変なんかじゃなくなった。
異変は私自身になった。
頭では嫌だと叫んでいる筈なのに、私の口からは教団に行くって言う言葉が放たれた。
たしかに、ルルが怪我した時仲間を殺してしまうほど怒りを感じたけど…教団の現状を見て怒りは熱を失った…
ねぇ、やめてよ。
私の体で好き勝手しないでよ。
ノアと気づいたあの日、私はこの人を拒絶すればよかった。
この人は、私なんか信頼してない。
中立なんか望んじゃいない。
イノセンスを愛していない。
イノセンスを、エクソシストという地位を、支えてくれる家族を、仲間を、現在の私を自分の目的の駒としか見ていない。
そんなに、14番目が憎い?
そんなに、殺したい?
そんな憎しみが生んだ復讐のために皆を道具として見てるの?
やめてよ…やめて!
平和に忠実な私。
己の復讐に忠実な貴女。
元より、私達は会い居れぬ存在だった。
神様、私は神様が作ったシナリオを進まなくてもいいですか?
14番目を受け入れ
復讐をやめて
ノアを愛し
エクソシストを愛し
イノセンスを受け入れ
この世界の平和を望んでもいいですか?
例え、この身が朽ち果てても構わない、
私がいなくなったことで悲しむ人が居てくれたとしても…その人が生きてさえ居てくれればいい。
皆が笑って暮らせる世界を作りたい。
…マリア……貴女はもう消えて?
やめて…やめてよ。
お願いだから…