空高く
□迷い
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「おーい!」
バレーの練習の為に私は武道館へと向かっていた。
後ろを追いかけながら私に声をかけたのは道宮先輩。
「先輩?
どうしましたか?」
「あのね!今日から男子バレー部の方の練習に参加して欲しいんだけど……。」
「?なんでですか?」
「ちょっと色々あってね!
澤村の方から話が行ってるはずだから!
今日の練習から男子バレー部でよろしく!」
何故だかはわからなかった。
でも道宮先輩の言い方は『邪魔だから男子バレー部に行かせる』とかそういう言い方じゃないから私は素直に受け入れた。
「じゃあ、練習いってきます!」
「はーい!
…………ごめんね……」
小さくなって行く後ろ姿を見送りながら私は名無しさんちゃんにごめんねと告げた。
この先、何があっても彼女にはバレーを続けていて欲しい。
その為に私ができる居場所作りならいくらでもやってやる!
決意を固めて私も武道館への道を走った。