Story1《OS・学園》
□Story1−1
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【Kazunari side】
「…なあ、カズ」
怠そうに俺を呼ぶ翔ちゃんのほうに振り向き、
「ん、どした?」
と軽い相槌を打つ。
「腹減った、購買のパン食いてえ」
それだけ言うと無言で尻ポケットから財布を取り出し、買って来いとでも言うように「ん、」とその手をこっちに伸ばす。
「…翔ちゃん。俺はアナタの子分でも弟子でもなんでもないのよ?」
「んなことわかってるよ」
めんどくさそうに、ぐっと伸びをしてこっちに向き直ると、
「カズのも買ってきていいから。頼む」
それだけ言って、また机に突っ伏す。
「…ったくもう、しょうがないな」
渋々翔ちゃんの手から財布をひったくり、「いってきまーす」とその場を後にする。
後方から、本当に思ってんだか思ってないんだか、「おう、さんきゅー」と小さな声が聞こえた。