白球を追いかけて

□第6話「突然の怪我」
3ページ/6ページ

〜グラウンド〜


グラウンドに着くとベンチの所に人だかりが出来ていた。
どうやら、少し移動したようで、ベンチにはクリス先輩が肩を押さえて座っている。
周りには監督、1軍がクリス先輩に状態を聞いているよううだった。


『監督!クリス先輩は大丈夫なんですか??』

鉄「来たか、朝比奈。かなり酷いようだ。
今クリスに確認したが、どうやら以前から肩を痛めていたらしい。」

『っ、そんな・・・私全然気付いてなかった。』

ク「気にするな、誰にも言わなかった俺が悪いんだ。自業自得だよ。」

鉄「そんなことはない。監督でいながら気づいてやれなかった、俺にも責任がある。
自分を責めるな。朝比奈、お前もだぞ。」

ク「・・・・」

礼「監督、病院に連絡したら今すぐ見てくれるそうです。」

太「車もまわしてきたので、すぐにでも滝川を病院へ連れていきましょう。」

鉄「あぁ。朝比奈、コーチとしてお前も来い。」

『はい。』

鉄「今日の残りの練習は自主練とする。高島、お前は残って部員を見ていてくれ。」

礼「わかりました。」

鉄「それでは解散!!」

「「「はい。」」」


こうして今日の練習は自主練となり、私は監督と共に病院へ向かった。


コーチとして選手を見てきたつもりだったのに・・・
クリス先輩が肩のことを誰にも言わずいいたとはいえ、気付けなかった自分にものすごく腹がったった。
そして悔しくて情けなかった。


そして、病院では全治1年と診断され、在学中での復帰は難しいだろうと言われた。


クリス先輩が復帰できない?
私は瞬時に理解できなかった。

クリス先輩もなんとも言えない表情だった。
ただ一言、
「そうですか。」
と答えただけだった。

その後、学校へ戻り監督が部員にクリス先輩の状態を説明した。
そして、クリス先輩に変わって正捕手に一也が選ばれた。

実力的にいったら一也が選ばれるのは当然で誰も不満を持つ者はいなかった。

一也はほんの一瞬だけ顔を曇らせた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ