白球を追いかけて

□第6話「突然の怪我」
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6月下旬

夏の甲子園予選までいよいよ後1ヶ月となった。

入れ替わりも何回かあった1軍もようやく確定し、3年生の中にはベンチ入りができなかった人もいた。
ベンチ入りこそできなかったが、今は練習のサポートに全力を注いでくれている。
そして、そんな3年生の姿に1軍・後輩がいい形で刺激され、野球部全体がいつも以上に活気づいている。


『チームとしての雰囲気は最高な状態ですね。』

礼「そうね。ベンチ入りできなかった3年生はそれぞれ思うところがあるかもしれないけれど、
監督の激励と今まで共に練習してきた仲間の為にできることをしたいって思いが強いからね。」


只今私は監督室にて、礼さんと予選で当たるであろう相手高校のデータをまとめている。


『本当に頼りになる先輩方ですよ。あとは、投手陣がどれだけ調子を上げ、安定できるかなんですけどね。』

礼「打撃は申し分ないぐらいに調子がいいから尚更ね。」

『丹波さんが徐々に調子を上げてきているんですけど・・・まだムラがあるので後一歩というところですね。』

丹波さんのカーブは最近キレがましてきた。
それでも、甘く入ることが多いので課題はクリアできていない。

礼「投手陣がどれだけ踏ん張れるかが、今年の大会に大きく影響しそうね。」

『相手校に青道の打線が抑えられてしまったら、今のままでは厳しい試合になることは予想されますからね。』


残り1ヶ月でどこまで持っていけるかが勝負だな。
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