にっし

□07/19 岡島龍
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昼休みはバスケをやった。

空斗と、俺、玲也、悠次郎で1対3。

バスケで推薦もらってる空斗だから、こんくらいでフェア。

とか思ってたらフツーに負けた。

玲也は「んあー」みたいな変な叫びをあげながら駆け回り、

悠次郎は使えねーなおめーらはーとかいいながら走り回り、

空斗は超かっこよくシュートを決めちゃって、1年から声援うけちゃったり。

俺はいいトコなし、もうだめ。野球しか出来ない、

やっぱおもしろ担当になっちゃうんだよな。

チャイムなって、のろのろ歩いてた足をちょっとだけはやめる。

あーかっけぇー。バスケ出来たらモテるよなー。

野球とか汗くせえだけやもん。

え?ホモくせえの間違えじゃねーの?

うっせ、てか玲也も野球部やろが

てか龍がホモくせえんよなー

いやいや俺ホモちゃうし!

大声で笑いながら真面目な一組の横を通り過ぎる。




席について、下敷きをごちゃごちゃの机の中から取り出した。

ごちゃごちゃって、それはもうなんていうか、

手紙やら切れ端やら塾のハゲ先の似顔絵やら。

そんなものがつまった夢いっぱいの机。

いや、机の中に夢はないか。

考えながらノートを開き、また教科書を忘れたことに気づく。

あー。やっちまった。多分、4回連続や。

でも、持って来るんめんどいんよなぁ。

阪神の下敷きであおぎながら、俺はわざとらしく声をあげる。

「っあーやべ、」

案の定隣の席の女はこちらを睨んだ。




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