もうそうのーと

□こたつで発情期
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「よ、龍」

あったかそうなダウンコートを着て部屋に上がり込んできたのは空斗だ。

「おお空斗。久々」

冬休み中会ってなかったからなんだかすごく久しぶりに感じた。

今日はクリスマス。

女に縁のない俺たちいつもの四人でクリスマスパーティをしようということになっていた。

空斗は巻いていた黒いマフラーを取ると、

俺の入っていたこたつの向かい側に座った。

珍しいのだろうか。中を覗き込んだりしている。

「そんな珍しいん?」

「いや…つか悠次郎と玲也は?」

「遅れるって」

「…親は?」

「今日は帰ってこないで」

「ふーん」

そう言って空斗が唇を舐めたのに、俺は気づかなかった。








10分くらいだろうか。二人でただ無言でテレビを見ていた。

クリスマス特集とか、そんなかんじのニュースばっか。

おめでたい国だな。となんとなく思う。

空斗もぼんやりとテレビを見ていた。

「玲也っち遅いな」

「…せやな」

「俺暇やわ」

空斗はテレビを消すと、いたずらっぽく笑った。

「あってめ、見てたのに!」

こたつから身を乗り出して空斗を叩こうとすると、

空斗はえりもとをぐいっと掴んで、自分の顔にちかづけた。

…え。

声が出なかった。

真顔で俺を見つめる空斗。

その顔との距離、わずか数センチ。

頬が、熱い。

沈黙が二人を包む。

すると空斗はニコッと可愛く笑った。

「じょーだん。何されると思った?」

「冗談かよ…」

腕を話した空斗から笑いながらゆっくりと離れると、

ふいに空斗はその顔から笑顔を消した。

「…冗談じゃないって言ったらどうするん?」

色っぽく唇を舐めた空斗を見て、

再び硬直。

その時だった。

空斗の足がこたつの中でゆっくりと動いて。

俺の、下に触れた。

「っん!」

思わず変な声が出る。

「ちょ、たか…と、やめ…」

「やめなーい」

ぐいっと押される足を手で押し返すけど、

押し返そうとするたびに強く踏んできて力が出なかった。

ー空斗の足、あつい…

朦朧とする意識の中、いつしか俺は抵抗することをやめていた。







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