うたひめ
□越えようとする男
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黒ひげとの闘いから5日後
シーフの疲労はなかなか回復せずにいた
『っ……』
ロキ「暫く寝ていたほうがいい
黒ひげを倒しに行くと言って島を出てから
ろくに寝てないんでしょ?」
『……これくらい平気よ』
黒ひげと戦ってから
シーフはずっと激しい頭痛に襲われていた
“たいした怪我じゃない”
そう返されてゾロが怒るのも無理はなく
今でも立っているのが不思議なくらいだった
そんな彼女をここまで奮い立たせているのは
【黄昏の女神・シーフ】としての名だった
『……オーディンも…
こんな状態で寝ずに帰って来たんでしょ…?』
ロキ「…………そうだね
でも、今は休まないとシーフも彼みたいになるよ」
『……』
思い出すのは五ヶ月前の事
傷だらけで血まみれの彼が
笑顔でシーフの元に帰ってきた光景が…
ずっと頭から離れない……
『…来た』
ロキ「?」