うたひめ
□守りたい仲間に出会いました
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楽しい空間が嫌いなわけではない
むしろ好きな方だった
でも…今のレナには苦痛でしかなかった
―私だけ…
笑ってるわけにはいかない……
ル「レナー
釣りするかぁ?」
『しない』
ル「ちぇー」
ルフィの誘いを断ってふと視線を動かすと
すぐそばでゾロが寝ているのに気がついた
ゾ「zzz」
『変な人は寝てるし…
…………………寝る』
自分の言った言葉に悲しい表情を浮かべるレナ
そして小さな声で口ずさむ
『♪沢を辿って
大きな幹を目指す
微かについた
香りをたよりに』
ゾ「…?」
ル「あ、俺の帽子!!」
風によって運ばれた麦わら帽子は
レナの元へ届く
『……♪麦藁帽子
乾いたスイカの芯
私を入れて…っ』
レナは急に歌詞をつまらせ
捕まっていた手すりに力をいれてきゅっと唇を噛む
ゾ「やめんなよ」
『?!!…起こしちゃった?』
ゾ「いいから歌ってろ」
そう言われたレナは
深呼吸をしまた静かに歌いだす
帽子を取りに来たルフィも
レナの次第に大きくなる歌声を耳にした他のクルー達も
レナの歌に聞き入り
次第に微笑みを見せる
『♪狂おしいほどに
浮遊している夢事
砂糖の香り』
心地良い音楽が
メリー号を包んでいた