うたひめ

□その姿はまるで女神のようで
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その夜



船の手すりに寄りかかるレナの姿があった



右手を胸にそえ静かに海を見つめている





「何やってんだ?」


『‥ゾロこそ』


ゾ「風邪ひくぞ」





そう言ってゾロは羽織っていた上着を
レナに被せる




『有り難う…』




そう言ってゾロに被せてもらった上着をきゅっと手で掴む



ちょっとしたその仕草にゾロは見とれていた…
昼の出来事が何かを変えたのだった






『‥どうしてあの時手を掴んだの?』


ゾ「あ?」


『初めて会った島』



ゾ「…危なっかしく見えた」


『何それー
年齢そんな変わんないじゃない』


ゾ「…」


『…精神年齢って言いたいの?
もうっ』





そう言ってからかうようにそっぽを向くレナ









ゾ「‥離れちゃいけないって思った」



静かに呟くゾロ



ゾ「不思議だけど‥俺が守んなきゃって」





―そうだ、あのとき
すれ違った瞬間に感じた



捕まえておかなきゃ
いつかきっと消えてく気がして…



ほんと、なんでそう感じたか
俺にもわかんねぇんだ










ゾ「何をしてたんだ?」





『知らない方がいい‥私の事』



ゾ「…」





そう言ってただただ深く暗い海を見つめるレナ




―そう、知らない方がいい


知りすぎてしまった時には…‥






もう遅い




To be continue……
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