Event 2

□一緒
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彼女が寝入っているのをいいことに、
そんな毒吐きをしてみても、俺が既に
彼女に骨抜きなのは周知の事実。

…そう、だからこそ、彼女のこの小悪魔な
魅力(チャーム)も愛も全て俺だけに向けて
欲しい。


好きだ
好きだ
大好きなんだ

こんなにも愛しいなんて
こんな気持ち知らなかったくらいに。

だからこそ
こんな気持ちに気づかせてくれた君
俺にこんな執着を持たせた君には
一生懸けて責任を取ってもらわなくちゃ。


そんな責任転嫁な独り言を心の中で呟いて
彼女のサラサラに乾かした髪を撫で。
髪以上に滑らかな頬を撫で。

あんまりそう触っちゃうと触れるだけでは
済まなくなるから(あんなに抱いたのに!)
ストッパーのようにそっと彼女を抱き締め
ゆっくりと深呼吸で…俺の腕の中に収めた
俺の匂いの移った彼女の匂いで肺を満たし

目を閉じる。


それでも時折目を開け、彼女が寝辛く無い
ように腕枕の位置を調整し…俺も彼女が
しっくりと収まる位置を見つけてはまた
彼女の柔らかな肌を撫で。

数度、そんなことを繰り返して心地良い
彼女と辿る眠りの淵へと沈む。












「……ぅン………」


ごそ…と不意に寝返りをした咲に
気付いて寝呆け目で彼女を抱き寄せる。

柔らかな髪をゆっくりと撫でれば…また
規則正しい寝息が俺の肌に触れる。

その気配にホッとしてまた深く抱き締め
スゥー…っと彼女の首元で深呼吸。

その空気の行き交いが擽ったかったのか
きゅ、と竦められた肩。

それでも俺の腕にしがみついてる彼女が
可愛くて夢現のまま彼女の首にキス。
そのまま耳、頬…それから顳顬、おでこ。


「……ふ、…ふふ……なつきさ……」


彼女も眠ったまま俺の方を振り返り、また
ぎゅぅ…と腕を伸ばして抱きつくから俺の
心臓ごとギュウってされて、俺も彼女を
愛しさ1000%で抱き竦め、何処もかしこも
密着した。



まだねむい

でもいいニオイ…
俺の、咲の…


ああ、あたたかい
……キモチイイ…


このままでいて

このまま


俺の腕の中

肌と肌が吸い付く距離で


このまま


ふぁ………ぁふ、

ああ


いいな



彼女との眠り

それはいつも穏やかで


…いま何時…?


鳥も鳴いていない時刻

夜明けはまだ先

君もまだまだ俺の腕の中が褥


ぎゅ…

もっと密着して
何処もかしこも


窮屈なはずなのに
でも心地よくて


…咲はキツく無いかなこの体勢


そう思って僅かに目を開け
柔らかな表情で眠る彼女を確認して。



――ほ…っ、


「…おやすみ……良い夢を。咲」


ちゅ、と落としたキス。

その途端彼女がふわりと微笑んで


――起こしちゃった…?


…でも、力の抜けた腕
俺に預け切ったカラダ


ふ…と俺も微笑って力を抜いて。



何夜も
幾夜も

繰り返してきた この時間


これを

今までもこれからもこの先ずっと



君がいればそれだけで



さぁ

おやすみ

また明日



明日も明後日も

ずっと一緒にいよう




いつまでも
何処までも

あなたと




君といれば


俺は無敵


ただ一緒にいるだけで

ただそばに居るだけで
















Happy Birthday
Dear NATSUKI ORIHARA♡
2022.06.06 xxx













何時までも尽きない愛を込めて
(当サイトは今年もなっちゃん最愛です)






end.

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