Novel


□告白
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【 告白 】


咲ちゃんと想いを通じ合わせて、
4ヶ月。

1ヶ月記念は都内のイタリアン。
咲ちゃんが物凄く喜んでくれたから
2ヶ月記念はまた別のイタリアン。
3ヶ月記念は郊外のフレンチ。

別に計画的に遠出へ移行してる訳じゃ
無いけれど、いつかは2人で記念旅行
だって考えてない訳じゃない。

最近ますます売れっ子になって、
どんどん綺麗になってく咲ちゃん。
だけど、それに比例して
スケジュールはギッチギチ。

俺らJADEとの仕事は減った訳じゃ
無いんだけど、他の仕事が増えたせいで
仕事でもプライベートでも
逢える時間は急激に目減りしてる。

元々恋愛スキルの高くない俺と、
真っ新な咲ちゃんだから、
会えない時間がそのまま恋愛発展の
速度にブレーキを掛けたみたいで、
キスはしたけど…それっきり。

触れるだけのキスは、
それこそ想いを交わしたその場ですぐ。
会うたびに沢山のキスをして、
深いキスだって階段を駆け上るみたいに
自然と交わした。
大事にしてない訳じゃない。
その逆で、大事にしたいからこそ
その先に進みたい。

女の子とこんな経験がない訳じゃない。
豊富、とまでは言えないけれど…
この年だから其れなりには…ある。
でも、こんな想いは初めてなんだ。

自分でも、周りにも淡白だと
言われてきたし、思ってた。
別にカッコつけてる訳でもなくて、
セックスは確かに気持ちイイけど、
ガッつくようなものじゃなく
自然の流れでそうなって、
無ければ無いで特に困るもんじゃない。
そう思ってた。

柔らかく温かい咲ちゃんの身体。
抱きしめると、華奢なのに
どこまでも指が埋れそう。
力を入れると折れてしまいそうな
細い肩。顔を埋めると細い髪から
彼女のシャンプーの香りが
仄かに香って腹の底から欲情する。

しっとりと柔らかくぷるりとした
咲ちゃんの唇は…吸いつくと
甘く、まるでスウィーツみたいで、
絡めた舌でさえ唯の粘膜だなんて
思えない程…甘い。
いつもキスをする度、
やめられなくなって
貪る様に味わってしまう。

いつ人目に付くかわからない
ようなところでは…流石に軽く触れる
しか出来ないけれど…っていうか、
本当なら触れることだって我慢しなきゃ
イケナイのは重々承知。

だけど…いつだって、何処でだって、
咲ちゃんとキスしたい。
咲ちゃんに触ってたい。

きっと咲ちゃんは俺のこと
キス魔だと思ってる…
こないだ言われたし。
でも、今まで女の子にそんな事を
言われたことなんてないし、
思われたこともないはずだ。
だって、キスはキスだったから。

こんなに麻薬のように浸るもの
だなんて知らなかった。


*
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