Event 1

□make SURE
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【 make SURE 】
(メイク・シュア=確かめる、必ずする)


9月8日生まれおとめ座のモモちゃん。

最初聞いた時には乙女なモモちゃんが
星座もおとめ座って…!なんてちょっと
笑っちゃった。(ごめんねモモちゃん。)

モモちゃんへのプレゼントを選ぶのは
凄く楽しい。男性で、歳もかなり年上の
モモちゃんだけど乙女な物や可愛い物も
大好きだから(基本シンプルだけど)、
自分が好きなお店で選んで大丈夫なのが
嬉しくて。

お父さんを始め、男性のお誕生日だと
お店から探さなきゃだもの。

私はオフの日をウキウキとした気持ちで
街に買い物へと出たのだった。


「うっわ、コレ可愛い〜♡ 」

大好きな雑貨屋さんの一角で女の子の
黄色い声があちこちで聞こえている。

私も1人じゃ無かったら同じように色々
見てはそう言う事言っちゃうんだけど
今日は1人だから静かに見てて。

でも女の子たちが手に取って可愛いって
言ってる物も横目でそれとなくチェック
したりなんかして。


うーん…コレもいいなぁ…。

あ、でもこっちもいいかも。

あれ? コレと同じの、モモちゃん確か
持ってるって言ってたような…。


あれこれ悩んで手に取って。

モモちゃんだったらこの色よりこっち?
うーん…どうしよう…。


「あら? ぐぅ〜ぜんっ!
どうしたのこんなトコで!」

「 !! 」


正に今 決めようとした時に、私が手に
した物と同じ物を手にしたモモちゃん。


あっ、そう言えばモモちゃんもこのお店
気に入ってて、新商品が入る頃必ず一度
チェックしに来るって…。

この雑貨屋さんはお洒落で実用性も高い
海外製のステーショナリーや小物、服も
取り扱ってるお店で。

敷地が広めだからか、コーナーによって
扱っている商品が全然違ってて。

お店全体でも男の人1人で来てる感じの
お客さんはあまり見掛けないけれど、
カップルとかは結構多いから男性客も
チラホラ。

でもこの一角は乙女コーナーな感じで
女性一色。

そんな中に背の高いモモちゃん。


ちょ…ちょっと目立っちゃってる、かも


モモちゃんが恥ずかしい訳じゃないけど
でもあんまり注目されるのは避けたい。
自意識過剰になるつもりはないけどでも
テレビとかで顔を出すお仕事をしている
手前、っていうか。

別に普通のお買い物だからコソコソする
必要も全く無いんだけど。

そんな私の気持ちを察してか、クスッと
笑うモモちゃん。


「今日オフよね?…なぁんて。実は今日
知っててアタリを付けて来ちゃった♡」

「え、ア、アタリ…?」

「そ。実はオフなの知ってて、このお店
来るだろうって狙って来たの。」

「へっ?! な、なんで?」

「やっだ、貴女とデートしたいからに
決まってるじゃない♡ 」


――デート…っ?!

ギュッて私の腕に腕を絡めるモモちゃん
身長差から言って無理矢理な感じなのに
スルッて組まれちゃって、しかも一体
どうやったのか、いつの間にか私の腕が
絡めてるようになっちゃってて。

しかも、これもまたいつの間にか手に
持ってた茶漉しと蓋付きのマグカップも
2つともお会計済み。


え、え、えええ?!

それ、モモちゃんへの誕生日プレゼント
だったのに! あ、勿論コレだけって
つもりじゃ無くて他にも細々詰めて、
だけど。


結局私はそのまま攫われる様にお洒落な
カフェに連れて行かれたのだった。



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