Event 1

□マイラバ
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【 マイラバ 】
(My lover=愛する人)


いよいよ明日は夏輝さんの誕生日。

この日の為に張り切って、誕生日の
サプライズ、プレゼント、そ…それから
自分磨き…頑張って来た。

実はJADEの皆さんにも相談して…
今夜のサプライズは、実は冬馬さんの
発案。


『なっちゃんの喜ぶ事ぉ〜?
うっわ、相変わらずラブいねー。
あーアチチ、もう茹だっちゃうゾ?』

『も、もう…っ、冬馬さんっ私真面目に
相談してるのに…っ!』

『うっわ、真っ赤っか!
かっわい〜萌っえー♡』

『マジメに聞いてやれよ…。』

『えーだってさぁ、癪じゃね?
なぁんでなっちゃんばっか、こーんな
可愛い嫁に愛されてさぁー』

『…お前のそれは唯のヤッカミだろ。
いい加減にしてやれ。』

『まっまだお嫁さんじゃ…っ
あ、あのっ、もういいです!』

『あー嘘ウソ! なっちゃんの喜ぶ事
だろ? 任せなって! 確実100%だから
なっ、秋羅!』

『…不安しか過ぎらねぇな…。』

『え…っ』

『ダーイジョーブだっつの!
信じてよ、咲ちゃんっ』

『ほ…ホントに?』

『もーぉー! 信用してって。』

『…はい…。』

『〜〜〜♡ (萌えっ)』

『…咲ちゃん、話半分の参考
だけにしとけよ…?』

『え…っ?』

『あーきーらーさーん? 俺が可愛い
咲ちゃん裏切る訳ねぇだろー』

『お前の場合、愛情よりも面白けりゃ
ソッチだろ。』

『えー 』

『冬馬さん…』

『いやいやいや、秋羅の冗談だって!
絶対に確実、なっちゃんが大喜びする事
企画しちゃる。乞うご期待♪ 』

『……。』
『……。』

『ちょ…何よ、お二人さん。
その沈黙は!』

『えっ、えっと…』

『止めんなら今だぞ咲ちゃん。』

『ええっ?! 』


そんな遣り取りをして。

…で、やっぱり冬馬さんの案はすっごく
恥ずかしかったけど、でも…一応後で
秋羅さんに訊いたら『…まぁ確かに、
夏輝なら…ってか男なら喜ぶな。』
なんてお墨付きを頂いて。

夏輝さんと二人で住むお家に帰って、
準備したの。

夏輝さんにナイショのサプライズ。

まずはテーブルに夏輝さんの好きな
メニューを思い付くだけ作って。

それからケーキ。
これは必ず。

毎年の事だけど、私の手作りより有名
パティシエのケーキの方がずっと綺麗で
美味しいのは分かってるのだけど、
でもやっぱり彼を想って手作りしたくて
…ってこれは自己満足。

それから夏輝さんが探してた、書類も
曲がらずに入って、背負える革の鞄。
私の好みで買っちゃったけど、貴方の
明るい瞳と髪の色にはきっと似合う。

経年変化で飴色になる、ヌメ革の、
ドクターバックみたいな2Way。

…喜んでくれるかな。
革の手入れ用のオイルもセットした。

それから、コレ。
冬馬さん発案の、プレゼントお渡し企画
…な、何だかすっごく恥ずかしい気が
するんだけど、本当に?

…か、揶揄われてる?
でも、秋羅さんも喜ぶって言ってくれて
いたし……………ホントに?

段々不安になってきちゃった…。
夏輝さんに、えっ?って顔されたら
どうしよう…。

そんな事を思いつつぐるぐる。

あっ、でももうスグ夏輝さんが帰って
来ちゃう!

覚悟を決めてスタンバイして。

さっきもう直ぐ帰るってメール貰った。
だから、ドキドキしながら冬馬さんに
プロデュースされた通りにスタンバイ
して。

ドキドキドキ…

喜んでくれるかな
そうだといいな。

貴方の誕生日、
特別な日。

大好きな大好きな夏輝さんの誕生日。

貴方が喜ぶ事、全部したいの。
大好きって伝えたくて。

貴方にはいつも貰ってばかりだから。

優しい愛の囁き
プレゼント、
溢れるほどの愛。

そういったものを。

沢山返したい。
貰った以上に。

貴方への愛を
この胸に溢れるこの想いを

伝えたくて



ガチャ、カチャン…ッ


――帰って来た!

嬉しくてドキドキして、
駆け寄りたいのを我慢して。

彼が家に入ってくるのを待った。



*
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