墓場

□笹塚さんおたおめss
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*桂木弥子の場合*
「笹塚さーん!」
「あれ、どうしたの弥子ちゃん」
「お誕生日おめでとうございますっ」
「…あぁ、今日誕生日だったっけ。わざわざありがと」
「笹塚さんの喜びそうなもの選んだんです」
「へえ…開けていい?」
「どうぞどうぞ!」
「──おつまみセットか。…お、たこわさも入ってんじゃん……何、弥子ちゃんすごい涎だけど…もしかして食べたいの?」
「え!?い、いやいや、食べたいなんてちっともこれっぽっちも…」
「…返すよこれ」
「いいんですか!?」
「うん、まあ…。そんなに羨ましそうな顔されたらなんか悪い気するし。誕生日知っててくれただけでも十分だよ」
「…じ、じゃあ、遠慮なく…」
「ん、どーぞ」

*石垣筍の場合*
「せ・ん・ぱ〜い!!」
「………………………何」
「間ァ長いっすね!」
「無視しようと思ってたからな」
「またまたご冗談を〜」
「本気だったんだけど」
「では!気を取り直して!」
「…聞いてる?」
「お誕生日おめでとうございます、ということでプレゼントです!」
「……やたらデカいけど、中身プラモデルとかだったら容赦なく壊すよ?」
「あ、それは問題ないっす!俺のお気に入りの1/1スケールフィギュアなんで…ってああああああああああ!!??」
「却下」
「酷いです!これいくらしたと思ってるんですか!?」
「知らねーよ。興味ないし」
「うううぅぅう…………ぐすっ、絶対喜ぶと思ったのに…」
「お前今まで散々プラモデル壊されてまだ学ばねーの…。…はあ、ちょっと煙草吸ってくるわ」
「あっ、待って下さい先ぱーい!!」

*匪口結也の場合*
「…お、いたいた」
「…匪口?いいのかよ持ち場離れて」
「すぐ戻るし大丈夫だって。…ほらこれ、誕生日プレゼント」
「お前もかよ…。ま、とりあえず受け取っとくわ。サンキュ」
「『も』って事は既に何人か渡してきたんだね〜。随分お疲れのようでw」
「…まあ、ロクに貰えてないのばっかだしな…」
「俺のは期待してくれていいよ。自信作だしさ」
「自信作…?…………まさかこれ例の電子ドラッグ…」
「あ、やっぱ気づく?」
「…お前祝うつもりあんの?どんな嫌がらせだよこれ」
「あははっ、現役刑事が犯罪者になったら面白いかな〜って誰に電話かけてるの」
「…もしもし笛吹?あのさ、匪口が電子ドラッグ作ったらしくてさ、もう一回躾直してやってほしいんだけど…、あぁ、勿論証拠は持ってるから─」
「げっ、やばっ」

*吾代忍の場合*
「………ただいま…って言っても誰もいないだろうけどさ…」
「遅ぇよ」
「…え?なんでいるの不法侵入?」
「違うわ!合い鍵持ってんの知ってるだろーが!」
「冗談だよ」
「てめぇ…!…くそっ、祝ってやる気なくしたわ!どーせいろんな連中におめでとうって言って貰ってんだろ!」
「…そのためにわざわざ家来たの?」
「悪いかよ!」
「…プレゼントは?」
「ちゃんとあるよ!ほらよ!」
「…焼酎?いつも飲んでるけど…」
「前に好きだっつってたろ!だから店で一番高けーの買ってきたんだよ!」
「…ふぅん、ありがと。…じゃ、飲もうか」
「…ああ、その前に」
「?」
「32歳の誕生日、おめでとさん」
「…俺より年下のくせにカッコつけんな」
「うるせー!偶にはいいじゃねーかよ!」
「ま、偶にで十分だし。…来年も宜しく頼むよ吾代」
「分かってるよ!おら乾杯!」
「…ん、乾杯」

  

HAPPY BIRTHDAY 笹塚さん!

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